現実分かってるけど分からない

第7話｢HANAへ｣

HANAへ何度目のお手紙かな

あなたが初めてこの家に来た時

私は自分のこと世界一幸せだと思った

こんな可愛い子と出会えて毎日遊べると思うとワクワクした

噛み付いたり怒鳴ったり喧嘩もしたね

顔を何度も噛まれて、睨みつけたよね、結果私の負け

若い頃ドアから脱走もした

気づいたら外から帰ってきてたこともあった

無事でよかったって何度も思ったよ

おやつやおかずもテーブルから落ちたらすぐ拾って食べる

食いしん坊のあなたは成人になって太り過ぎと主治医に

言われダイエットも頑張ったよね

服がブカブカになってたね

春は花見をして、暑くなったらアトピーで痒みと戦って

薬を塗って、飲んで。扇風機の前やクーラーの風当たりのいい所を陣取ってたね

冷たいシート、父さんがくれたやつがお気に入りだったね

玄関のコンクリートで寝てたこともあったよね

氷も滑らせながら舐めて、ハァハァ言いながら走り回ったね

寒くなったらコタツに入り、おしりだけ出してみたり

頭だけ入れたりしてたよね

寝る時はかならず寝室に来て一緒の布団で寝て

気が向いたら中に無理やり入ってきたよね

お留守番の時はペット用のヒーターやコタツで暖とってたね

人感センサーだったの気づいてた？時々その前をうろちょろしてたから気づいてるかと思ってたよ

そうだ、カメラで24時間365日監視をしてたけどごめんね？

あなたのこといつでも見たいから私だけ見れるように カメラをセットして見守ってた

これは気づいてたよね？時々カメラ越しに目が合ったし

近づいてきてたから

可愛い姿沢山見れたよ

あなたの白目を向いたり、ヒクヒク鼻をさせる寝顔も

ひっくり返って寝る寝相も、うつ伏せで足を動かす寝相も

キュンキュンなにか言ってる寝言も大好き

かくれんぼすると慌てて探し回る姿も

見つけた時振りすぎるしっぽも、待てと言われて葛藤してムズムズしながらも待つ姿も、大好き

うんちをする時の1歩目はシートの上でそこから1歩ずつ前に出てきて結局廊下にうんちが散乱することも

必ずシートの上でするけど間に合わない時もあったおしっこも大好き

おしりの匂いも、おならの音や匂いも、肉球も耳を触った時の幸せそうな顔も、撫で始めたらすぐ腹を見せてくるとこも、ご飯食べ始めたら物欲しそうに近寄ってくるとこも、ネチャネチャになるまで食べて食べ始めたら口を離さない豚の耳が好物なとこも大好き

私たちは幸せな13年と8ヶ月を過ごさせてもらったよ

だからあなたも幸せだったと信じてるよ

いつか縁があったら必ずまたおいでね！他に天国にいる私の大事な家族たちも引連れて私の元へ戻っておいでね♪

Ps:太りすぎてもいいから食べたいもの食べてね！

呼んだ時は降りてきてね！ 現実逃避しておかしくなってるの分かってるけど頑張って自分と現実と、向き合うから、HANAは後悔しないで心配もしないで自由に楽しんでね♪

大好き