第37話 番外編 ある男の過去3
日にちがたつと本当に彼女のものが増えてきた。
それに彼女と過ごす時間も増えてきた。
それは彼女がこの部屋に泊まる時間が増えたとも言える。
前は月に一回
それから週一回
今はほぼ毎日彼女はこの部屋に訪れる。
うれしい・・・はずなに・・・
時間が多くなるたびに
なんというか・・・
彼女の・・・
下品な部分も見えてきた。
彼女は清楚で美しくたおやかで・・・
そうであるはずなのに・・・
そうであるべきなのに・・・・・・
どうしようか?
きっと彼女が通っている大学が悪いのかもしれない・・・
でなければ彼女がこんなはずはないのだ・・・・
あと両親もかもしれない・・・
彼女のことが心配ではないのだろうか?
彼女を頻繁に外出させて・・・
まぁそれは両親も僕のことを理解し
信頼してのことだとは思うが・・・・
それにしてもだ。
彼女はきれいで可憐で・・・
もういうまでもないほどの女性である。
世間が彼女を放っていくとは思わない。
そんな彼女をほいほいと外に出すなんて
すこし不用心が過ぎると感じる。
もう少し彼女の価値というのを・・・
だが仕方ないのかもしれない。
これは彼女をよく理解した僕だからわかることなのかもしれない・・・
では
僕がすることは決まっている。
彼女に教えてあげよう。
君はきれいで可憐でたおやかで完璧な女性・・・
だからそんなことしちゃダメだって
気をつけなきゃいけないと
世間はは君のことをあらぬ目で見ている男はごまんといると
世界というのは君が思っている以上に冷酷で残忍で汚染されていると
君がいなかった僕の世界はそれはそれはひどい様だった。
色がなかった世界・・・
それはなぜかというと・・・
見るに値しないそれが一番の理由だった。
いつからだろうか?そんな風になったのは・・・・
きっと幼いころだったろうか?
幼稚園に行ったことが僕に少なからず影響を与えたように思う。
僕が楽しいと思いみんなで遊ぼうとすると・・・
みんなは一人一人いなくなっていき
いつの間にか僕は一人になった。
そして頭の悪そうな大声をあげてはしゃぐしか脳のないようなやつに
みんながむらがった。
たのしそうにみんなも遊んでいた。
なんだかそいつらを見ていたら・・・・
なんだか世界が少しあほらしくなった。
バカみたいだった。
あいつもあいつらもそしてそんな連中と仲良くしようとした僕が・・・
そしてそのようすを見ていた先生もバカだった。
僕が一人でいるとそれを
「ほらみんなと遊ぼうか?」
とかいって無理やり輪に入れる。
僕は入れてほしいなんて一つも思ってないのに・・・
両親もそんな僕が心配だったらしいが・・・
そう思うこと事態がすでに迷惑だった。
そしてこの世界に対する不信感というか
あほらしさは加速した。
家ではよくニュースを見ていた。
コメディーやドラマ、アニメ・・・
どれも興味がなかった。
しかしニュースはなぜだが見れた。
けれどそのニュースが僕の世界の色をさらに奪った。
理由は単純だった。
紛争や戦争、政治に金・・・
幼い僕にはわからないとでも思ったのか
それがテレビから垂れ流されていて
難しい言葉はたしかにわからなかったが
映像は教えてくれた・・・
そのむこうでは人が人に石や燃えているビンなんかを投げて
大きな盾をもった人がその人にたいして
棒みたいので叩いてて・・・
そしてそれでケガして運ばれて・・・
それだけじゃない。
ある時はおおきな銃をもって行進する兵隊・・・
横転した車・・・
焼き払われた家々・・・
泣いている子供・・・
人間が人間同士でどこかで殺し合いをして
それに巻き込まれる人がいて
家や財産を失って・・・
そんな映像・・・
もう少し大きくなったら
政治やそれについての事件もわかるようになる。
だがわかれば分かれるほど
世界はモノクロに・・・
そしていつの日か
色を失くし
光すらも・・・・
だが僕は本当についていた。
なぜなら彼女に出会えたから・・・
そして色を取り戻したから・・・
神様や運命はすべて僕に味方していた。
ニュースで取り上げられた人たちはきっと
運がなかったか・・・
神様に見てもらえなかった・・・
残念だけど仕方ない・・・
その分しっかり僕が受け取ってあげるのだ。
どんな者より有意義に使ってあげれるこの僕が・・・
選ばれそして与えられたのだ。
そんな僕・・・
そんな僕だからこそ・・・
彼女の間違いを正す権利がある。
誰よりも世の中を知るこの僕が!
彼女を導くのだ!!
・・・・・・・・・・・・
数日後
彼女がいるのだが・・・
悪い癖が出てしまったようだ・・・
僕は彼女に伝えた
「それはよくない」と
彼女は一瞬困惑したような顔を見せたが
すぐに
「ごめんなさい」と
謝った。
やはり彼女は聡明だ。
言ったことにすぐに反省の意を示して
そして言葉にできる。
それは本当に素晴らしいことだ。
こうやって互いに指摘してあっていけば
きっと彼女はもっと完璧な人間に・・・
もっと素敵な女性になっていくだろう。
ああ、
楽しみだ・・・・
これから先の未来には
僕とさらに完璧で美しく聡明でたおやかで・・・・
言葉がいくらあっても足りないくらいの
完璧な女性が僕の隣で笑ってくれるのだ・・・
これが楽しみでないはずがない。
これがどれほど素晴らしいか言葉にするまでもない!!
ああ、
楽しみだ・・・・
ああ!!!!
楽しみだ!!!!!!!
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
この数日間
彼女がこの部屋に来る回数が減った。
「なぜ」かと彼女に問うと彼女は
「大学が忙しい」という・・・
それは仕方ない・・・・
いくらそんなに必要のないような大学の事柄も
彼女をさらに輝かせることには変わらないのだから
それは仕方ない・・・・
でも・・・
夜までも忙しくなるのだろうか?
彼女は
「疲れて眠くて・・・」っと口にする
だとしたら彼女はすこし頑張りすぎだ。
そこまでの気力を大学の授業、学校に使うなんて・・・
そんな必要はないだろ?
でも彼女はまじめだから・・・
心配だ・・・
彼女がこのまま疲れ果ててしまわないか?
このまま僕のもとを離れてしまわないか?
本当に心配だ・・・
・・・・
昨日彼女が家に来た・・・
しかし
最近は話をしていない・・・・
なんて言葉をかけていいのか?
最近はいつも携帯をいじってそして
時間がきたら「最近親がうるさいから」といって
帰ってしまう。
いったいどうしたというのだろう・・・・
・・・・・
今日久しぶりに彼女が笑っているのをみた
だがそれは僕にではなく
携帯にむかってだ・・・
なにがそんなに楽しいのか?
そう思って彼女の携帯を覗いた。
すると
そこには・・・・
「どういうことだ!?」
激高した
彼女に僕は声を荒げた
そこには・・・・
そこには・・・・
彼女が映っていた・・・・
そして彼女の友達の女性も・・・・
それならなんら問題はない・・・・
問題なのは・・・・
「なんだ!!この男たちは!!!!」
彼女の横には男が何人もいて楽し気にしていた・・・
彼女は素早く隠して
「勝手にみないでよ!!」
と声をあげる
彼女が感情的になるのは初めてだった・・・
そんなことよりも
「どうしてだ!!この男たちは!?いつこんなものを撮ったんだ!!!」
彼女に詰め寄るが
「そんなの関係ないでしょ!!!」
とまた声を上げる
僕はそんな彼女の問いにもう一度繰り返した
「この男たちは!!!!!どうしてこんな場所に君がいるんだ!?どうしてこんなことをしているのだ!!!!!!」
彼女の話を無視して彼女に詰め寄った
「だ・か・ら!!!!!関係ないでしょ!!!!!!!」
また彼女は大きな声をあげた
「どうしてそんな態度を!!!」
お互いに罵り合った
そして
「もういい!!!」
そういって彼女は出ていこうとする
それに
「まだ話は終わってない!!!」
彼女を引き留めようと彼女の腕を引く
しかし
「離して!!!」
彼女は腕を勢いよくふりそのままドアに手をかける
「まて!!!」
声をかけて静止するがそれは遅く
ガチャン!!バタン!!!!!
ドアが力強く閉められた
「・・・・・・くそ!!!!」
どうしていいかわからないでそのまま玄関のコンクリートを蹴った
どうしてだ??
彼女がどうして???
こんなことをするこの彼女ではないはず・・・・
なのに・・・・
こんなこと・・・・
きっと大学のせいだ・・・
彼女を取り巻く友達のせいだ・・・・
そして彼女の両親・・・・
彼女の両親にも問題がある・・・・
彼女のことをしっかりと管理する義務があったのに・・・・
こんな風になるなんて・・・・
もういい・・・・
彼女のことは僕が見る・・・・
彼女の管理は僕がする・・・・・・
そうすればきっと元の彼女になる!!!!!
前の清純で可憐でたおやかできれいな彼女に戻る!!!!
そうすればきっと今日のことも過ちだと気づくはずだ!!!!
僕のもとに戻ってくるはずだ!!!!!
そう決まればさっそく行動しないと!!!!
そう思い携帯を手にして彼女の番号に電話した。
「・・・・・」
トゥルゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ・・・・
トゥルゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ・・・・
トゥルゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ・・・・
「・・・・・」
トゥルゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ・・・・
プツ
「あ!!!」
トゥーーーー
トゥーーーー
切れた・・・
トゥルゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ・・・・
トゥルゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ・・・・
トゥルゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ・・・・
「・・・・・」
トゥルゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ・・・・
プツ
まただ・・・・
「これは・・・・」
彼女は僕を拒否している?
そんなはずは・・・・
そんなはずは・・・・・・
きっと彼女も今日は冷静ではないだろう・・・
それは僕も同じ・・・
今日はやめておこう・・・
お互いに今日は頭に血が上ってしまっている
だから電話にも出ない・・・
仕方ない・・・
今日はやめておこう。
そして明日からまた一から僕が彼女のためにいろいろ教えよう。
そしたらきっと彼女もわかるはずだ・・・
きっと・・・・わかるはず・・・・・
・・・・・・・・・・・・・
あれから何度も何度も彼女に連絡しているが・・・
一向に連絡はつかない。
どうしてだ・・・
彼女はあれから一度も電話に出ない・・・
しかも実家の方にかけたが
彼女の両親がでてきて
彼女にもう手をだすなっと言っていた
やはり彼女の両親は彼女にふさわしくな人物のようだ
彼女があのような行動をとってしまったのも
彼女の家庭環境が影響してしまったのだろう・・・
だがそこをいっていてももう仕方ない。
問題はこれからどうするかだ・・・
彼女をこのままあの両親のもとに置いていたらせっかくの彼女の良いところがなくなってしまう。
それにはまず彼女に連絡しなければ・・・
もしくは彼女に会わなければ・・・
そうしないと彼女を守ることができない。
彼女をこの汚染された世界から救わないと・・・
あの大学もきっと彼女にとってふさわしくない。
その大学のせいで彼女の周りにどうしようもない人間が集まり
彼女を惑わして悪の道に引き込んでしまったのだ。
それは許されるものではない。
そんな連中からは手を引いた方がいいに決まってる。
そうして僕といっしょにいればきっと
あのときの・・・
聡明できれいでたおやかでそんな彼女が戻ってくるに違いない。
いや、そうだと言い切ることができる。
そうと決まれば話は早い彼女のもとに行こう。
そして過ちを正してあげよう。
そうすれば・・・
そうすれば・・・・
彼女はさらに僕を見直すだろう。
そしてこの部屋で二人で過ごす未来がより明確に
そして確実になる。
彼女を取り戻さないと・・・
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