清掃員

ta-KC

第1話 プロローグ

「ふー・・・」

ゲームで見るようなマスク

そして、軍手

防護服

そのような重厚な装備をとり

外の空気を吸うためため息と共に

空気を吐き出した

外の空気は中の空気と比べて幾分かおいしい

休憩がてら扉の前で持ってきた飲み物を飲み

次の作業のための準備を整える

おおよそ普通の人とは違う姿

だがこれは大きいくくりで言う

【清掃】にあたる

ただその言葉の上に【特殊】とつく

何が【特殊】か・・・

それは【清掃】するのは

人が亡くなった部屋

今でいうところの事故物件になる

その部屋を人が住めるように【清掃】する

それが俺の仕事

【特殊清掃】だ

俺にはなにか特別な資格があるわけではない

それに特別な職を経験してきたわけではない

普通に就職し資格は学生時代に何となくとった

福祉系の資格があるだけ

就職先も営業職で働いていた

もしこの仕事に縁があるとしたら

その就職でゴミに関する知識が増えたこと

そしてそれがこの転職につながったことだろうか・・・

最近でこそ事故物件が人気?

であるようだが正直そんなに騒がなくても

そこら辺に事故物件は転がってる

新築や築年数が浅いものでない限り

事故物件の可能性は大いにある

そうこの仕事をして知った

それほど頻繁に仕事の依頼はあるようで

普通に仕事をいただけた

さらに上司がいうに最近はライバル企業が多く

仕事の取り合いとのこと・・・

隙間産業ではあるだろうが高齢化社会や

精神的圧迫の多いこの世の中

住んでいる部屋を最後の地として選ぶ人は

多いということなのだろ・・・

「さて、戻るかな!」

そう自分に気合を入れなおし

俺は作業に戻っていった

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る