第3話 荷物運びは辛いよ

恐らく元居た町より遥かにでかい、さすが、魔王軍討伐第7拠点都市と言える程の規模だな。

「で…荷物届けるんだっけ。」

目的を忘れかけていたな。

「確か、ここらへんだよな、」

それにしても書いてある住所が曖昧だな…あと変な挿絵がある…

「なんだこれ?塔か?」

とても細長い塔で、屋根の先に赤い旗がある。、

「どっかの妖精が冬眠してそうだな…」

だが、ここまで特徴的なら容易く見つけられそうだ。


『ドッ!ガッシャーンッッッ!!!』


あ?なんだ?

「わっ!!なんか倒れっ、」


『ズーーーンッッッ!!』


「クハッ!重っ!!」


「おい、兄ちゃん大丈夫か?」


「あ、はい大丈夫っ、」


『ガンッ!!』


「ガハッ!!」


「…ちょ、ちょっと大丈夫じゃないです…。」


「あ、すいませんっ!!怪我はないですか?。」


いや普通の人が当たってたら怪我じゃすまねぇぞ。


「飛行魔法を試してたら、暴走しちゃって…」


「いや暴走しただけで建物崩壊するかよ。」


「いやっ、それはっ、本当に暴走しただけです!」

なんでそっちがキレてんだ…

「ていうか、僕に当たってよく生き延びられましたね。」


「普通の奴だったら死んでたな。」


「ですね!!」


『バキィッ!!』


「ガッッ!!」


「な、何するんですか、いきなり…」


「こっちが言いたいわ、それ、」


「おい!!こんな事をやらかした奴はどこのどいつだ!?」


「あっ!しまった、警護官!」


「コイツです。」


「…き、気のせいです。」


『バキィッッ!!』


大通り中に鈍い音が鳴り響いた。


「うっ、くぅ..ひ、ひどいじゃないですかぁ、2発も殴るなんて…」


「知るかよ、お前が街を破壊した挙句、何も関係がない人に、突撃するのが悪いんだろ。」


「いや、でもですよ…」


「てか、なんでついて来てんだお前、」


「歩く方向が同じだからですよ、たまたま…」


「ふーん、お前、名前は?」


「デルタ、デルタ・マルコです。」

これまた、珍しい名前だな…

「俺はキョクチ・ソウマだ。」

「キョクチさん!よろしくおねがっ、ブッ!!」


「なんで着いてくる前提で話進めてんだ、」


「だからって、今のは殴らなくて良いじゃないですかぁ…」


「…気分、」


「気分!?」


…こいつ、面白いな。

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