俺が、物語!?
ペンと紙と
第1話「異変」
みなさんご機嫌いかかでしょうか?初めましてこの話の語り部「噺」でございます。
そこのベットで寝ているのがこの物語の主人公「藤原優極」(ふじわらゆうき)でございます。この男はもう学校が始まるというのに眠気に負けて睡魔に身を委ねております。さてどうしたものでしょうか?
「うるさいなぁ!」
ついに起きたようです。
「そりゃ起きるよ、こんなにうるさかったら。」
それはそうですよね。
・・・え?
「え?」
まさか聞こえていますか?
「一応、聞こえています。で、誰ですか。」
噺と申します。
「そうですか。」
これは大変なことになりましたね。どうやら優極、君には私の声が聞こえているようですね。
「そう言ってるじゃないですか!あなたは何者なんですか?」
神みたいな存在です。
「は?」
そんなことより早く着替えないと学校に遅刻しますよ?
「やべ!」
優極はそう言い制服に着替えるのだった。
「何を言ってるんですか?」
必要な事です。
「そ、そうですか」
優極は自転車に乗り焦った表情で学校へ向かう。果たして優極は間に合うのか?
「なんか気になるんだよな~」
気にしないでください。
「とにかく後で色々説明してくださいね。」
分かりました。といっても私もなんでこうなったかは分からないのですが
「いいから!」
遅刻しますよ。
「も~~う!!なんだよこれぇ!」
優極の大声が朝の道に響き渡った。
「今日は間に合ったことにしておきますが、これからは遅刻しないでくださいね。」
優極は結局遅刻し、担任の高木先生にこうして怒られているのだった。
「すみませんでした。」
「では席についてください」
高木先生にそう言われた優極は自分の席に戻る。
「いちいち説明しなくていいよ。」
優極はボソッと呟く。だから必要な事なんですよ。
「また遅刻か?いい加減早起きしろよな。」
優極に話しかけてきたこの男は
「よくご存じですね。」
まあ神ですから。
「なんか言ったか?」
「いや何でもない。」
「そこうるさいですよ」
優極と涼を高木先生が注意する。
「やっと終わった。」
「購買行くか?」
「わり、先行っててくれ。」
「おう」
優極は涼と別れトイレに向かうのだった。
「誰のせいだと思ってるんですか。」
誰のせいなんですか?
優極はトイレの個室に入り鍵を掛けた。
「とりあえずこれはどういうことなんですか?」
これ?
「この状況ですよ。説明してください。」
そうですね。私が分かっている範囲ですとこの状況は異常で、本来は私の声など聞こえないはずということですね。なぜこうなったのかは私もわかりません。
「あなたは一体どういう存在なんですか。」
神です。と言っても形式上の神ですが。
「形式上?」
この物語において必要だから作られただけです。
「物語?」
・・・これ以上は聞かないほうがいいと思います。
「え?何でですか?」
言ったところで信じれないでしょうし.......。知らないほうが幸せですよ。
「こんな状況で気にならないわけないじゃないですか。教えてくださいよ!」
わかりました。教えましょう。絶対に誰にも言わないでくださいね。君の世界は創作の世界なんですよ。
「そ、創作!?現実じゃないってことですか?」
そうです。私も含めてこれは作られた物語ということです。
「そうだったのか....」
優極は、打ち明けられた信じがたい事実を前に頭を抱え声を震わせる。
「こんなタイミングでも解説するんですね。」
申し訳ないのですが、これが仕事なので。
「あぁ...そうですか...」
........。
「購買に行かないと。」
「優極、おまえの分も買っといたぞ。」
「おう、ありがとう」
「屋上行くか。」
「空いてることを願おう。」
二人は屋上に向かった。
「お!空いてるぞ。」
二人はドアを開け屋上に出る。そこには雲一つない青空があった。
「やっぱこういう日は屋上で食うに限るな。」
涼は購買で買ったパンを開け言う。
「.....そうだな。」
「さっきから元気なさそうだな。どうした?」
「涼はさ、この世界が存在しないとしたらどうする?」
「存在しない。作り物ってことか?」
「うん。」
「そうだなぁ。俺は正直、この世界が作り物かどうかなんてどうでもいいかな。」
「なんでだよ。虚しくならないか?」
「だって俺はこうして優極と話せているし、物語やデータだったとしてもそこに存在しているとしたら、それはもう立派な世界だろ?」
「立派な世界.....確かにそうだな。」
優極は少し納得した面持ちでパンを咥えた。
二人はパンを食べながら会話を続けた。
「キーンコーンカーンコーン」
昼休憩終了のチャイムが鳴る。
「授業始まるな」
チャイムの音を聞き涼が立ち上がる。
「そうだな、戻るか。」
二人は階段を下り教室に向かう。
「いてっ!」
優極の背後で高い声が響く。
「うう...ごめんなさい。前、見てなかったですぅ......。あ、優くんだぁ~。」
「
この女の子は
「えへへ、平気~~」
「よっ、夕火。」
「あっ。涼君もいる~おはよ~」
彼女は目の前にいる親しい人たちに向けて笑顔を零す。
「てか授業始まるぞ。」
「やべ、急がないと」
「教室まで走れ~~」
三人の足音が廊下に響いた。
「危ね~ギリギリだったな」
「ね~」
三人は授業の準備をして席に着く。
「授業始めるぞ~~」
担当の先生がチャイムと共に教室に入りそう言った。
全ての授業が終わり、優極が帰る準備をしていると教室に大きな声が鳴り響いた。
「藤原~藤原優極はいるか!?」
おっと一話はここまでみたいですね。
大きな声の正体は誰なのか!?なぜ優極に私の声が聞こえるのか!?
まだまだ謎はありますがこの物語を楽しんでくれたら、嬉しい限りでございます。
では二話をお楽しみに。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます