第551話
「――や、やめろ! 近づくな! 化け物っ!」
「まぁ、まぁ、そんなに気持ちを荒げるなよ」
俺は笑みを浮かべ――、男の顔面を掴み持ち上げる。
辻本は、俺が踏みつぶした足の激痛からか、膝立ちのまま俺に持ち上げられていく。
「運ぶのに邪魔だな」
俺は手刀で辻本の両足を太ももの真ん中から両断する。
もちろん、その時に周囲には血飛沫が舞い――、
「ギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアア」
「汚ねえ叫びだ」
痛みからか辻本の絶叫が室内に木霊する。
もちろん、それを見ていた純也は、口を大きく開けて固まったまま。
そして桔梗に至っては冷たい視線を俺ではなく辻本守に向けていた。
俺は軽くなった男を持ち上げる。
そして手刀で切り分けた辻本の太ももを見ながら、生体電流を利用したプラズマを左手に作り出す。
そのプラズマの温度は4000度を超す。
そして、その高熱により辻本の太ももの傷跡を焼いて血を止めていく。
「やめてくれ! やめて! やめてくれええええええええ。――だ、だれか! たすけ――、たすけて――、ひゅーひゅー」
途中から助けを求める声すら聞こえなくなる。
そんなドブよりも薄汚い助けを俺は無視しながら――、
「ああああああああああああああああああああああああああああああああああああっ!」
途中から辻本が絶叫する。
「おいおい。何を寝ているんだ? せっかく、この俺様が! お前の! 傷を! 治療して生かしてやっているというのに」
辻本の痛覚を3000倍にし、痛みから目を覚ませる。
そして、傷口を塞いだあとは、俺は辻本を椅子の上に座らせる。
「――さて、大人しくなったようだな。コレで、尋問が始められるか。だろう? 辻本守」
神経伝達、脳内神経、脳内麻薬、それらを辻本の頭部を掴んでいた間に調整した俺は笑みを浮かべるが――、
辻本は、口から泡を吹いたまま、白目を剥き出しにしてショック死していた。
「まったく――」
俺は辻本の右手を握ると同時に、体内に電流を流す。
それと共にビクッ! と、辻本の体が跳ねる。
「あ……う……」
「良かったな。ショック死していたから心配したぞ?」
「お、おれは……生きて……」
「ああ。蘇生してやった。ありがたく思えよ? 俺は、尋問や拷問が得意だと言っただろう? 俺は、今まで尋問や拷問で相手がゲロするまで死なせた事が無いんだ。だから、安心しろ――、いくらでも相手にしてやるからな」
やさしく――、そう。本当に、やさしく声をかける。
笑みを浮かべて――、口角を上げて――。
「さあ、いくらでも反抗してくれて構わないぞ? 何度でも死んでも大丈夫だ。この俺が何度でも生き返らせてやるからな?」
――ガチガチガチガチ
室内に響き渡る音。
それは、辻本守が体を震わせ、上顎と下顎の歯を鳴らし始めた音。
「そうかそうか。そんなに俺との尋問が楽しみか! 久しぶりのお話だからな。俺も、お前のやる気に応じて、きちんと生かして、話を聞いてやるからな?」
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