第3話「ベッドと少女」

 春、



 卓球台のベッドに横になり膝下ひざしたをだらりと下ろす。


 日差しが窓を守る格子の影を床へと落とす。


 小さなホコリが光の中を舞っている。



「百合、ここの天井低いね」

 瑠璃、木のはりと板の天井を寝たまま見上げる。


「バレーボール出来ない」

 百合、梁に引っ掛かったバレーボールを見つめる。


「外ですればいいよ百合」

 瑠璃、バレーボールする? 横で寝る百合「じっ」と見つめる。


「しないよバレーボール」

 百合、足を「ぱたぱた」交互に揺らし始めた。



 瑠璃も百合と同じように足を揺らした。


 二人とも疲れるのはキライ。


 疲れるほど卓球もしない。

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