かけたモノ
バブみ道日丿宮組
お題:出来損ないの月 制限時間:15分
かけたモノ
さぁ今日は何をしようか。
ーー深夜2時。
普通の人が起きてない時間に私は起きる。
仕事らしい仕事をしてない私には日常というのは当てはまらない。あるのは非日常という現実。
とはいっても、収入のない毎日を過ごしてるわけじゃない。
私は普通の人とは違う遺伝子を持ってる。
普通の医学では解決できない病気を発症してる。どこが悪くて、どこが良いのか医者ははてなマークを持つ特異体質。
私の身体は国が観察し、弄ってる。
そうすることで、今まで収入を得てた。ある意味で上級国民のような存在かもしれない。
まぁ……身体を弄られるから、完全に自由な収入というわけではないけど。
好きな高校、好きな大学、好きな専門学校とステップを踏んでは見たものの、何かを得られるというのはなかった。
国のボディーガードはいつもいるし、お世話係もいる。
そんな状態で友だちなんてものができるわけもなく、ただ知識を深めるだけの毎日だった。
親としては、どこかに就職してほしかったらしいが、この状態では無理だろう。
そもそそも家賃はタダだし(高級マンション)、欲しいものはいうだけで手に入る。
就職するのが馬鹿になるくらいの状態だ。
国にどっぷりとお世話になってるのだから、国のために身体を差し出すのは当たり前のことなのだ。
「……ん」
今週の診断は、都会の病院で行われるらしい。
医者らのメッセージにそんな文言が書かれてた。それと早寝早起きをしなさいと注意書きがあった。
実験サンプルになにかあってはいけないというやつだろう。
わかってる。私はには本当の自由というものがない。
「どうされましたか?」
「いや……いつもの日程通知」
お世話係さんが郵便を手に持ってやってきた。
「そうでしたか」
興味があるのかないのか、お世話係さんは聞いて台所へと向かってしまった。
残ったのは、ボディーガード。
この人はなんであっても、離れない。
トイレまでついてくる次第だ。
乙女の素性なんてもはやないといってもいいね。
いや、いじられてる時点で人権はないのかもしれない。
かけたモノ バブみ道日丿宮組 @hinomiyariri
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