ある年のこと
Was
第1話
シャッターが降りた薄暗がりの商店街の片隅で中年の女が歌っているのを幾人かの観客と眺めながら新年を迎えた。
1時間ほど前は知人たちと過ごしていたが、気の向くままにふらふら写真を撮っていたらはぐれてしまったらしい。道頓堀の戎橋辺りにいけばもっと賑やかな年越しらしい年越しを迎えられたんだろう。しかし誰もが楽しく年を越すわけでもなく、それでも家にひとりで居座るより街に出て誰かと過ごしたい寂しさを分かち合えたような気がして私の中にはどこか温かいものが広がっていた。
*
今年の始まりはそんなものだった。今は映画館の隅に座っている。周りには大勢の男女連れがいる。クリスマスイブ。私の隣にも女の子がいるはずだった。
ある年のこと Was @kgkc65
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。ある年のことの最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
関連小説
箇条書き日記最新/夢月七海
★31 エッセイ・ノンフィクション 連載中 1,664話
夜型さんのエッセイ帳最新/阿部蓮南
★0 エッセイ・ノンフィクション 連載中 9話
思い出の中の神殿最新/坂本忠恆
★3 エッセイ・ノンフィクション 連載中 5話
令和テレフォンクラブ最新/名▓し
★6 エッセイ・ノンフィクション 連載中 9話
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます