真実は目に見えぬもの




 結局あの日、俺はあいつを殺さなかった。なぜかって?……あの時の燃えたぎるような嫉妬心を、君を抱く時まで取っておこうと思ったからさ。君の中の奥の壁を突き破る程に “俺自身” を突き上げてやりたい。名案だろう?これなら誰も、傷付きやしないしね。



………勘違いしないで欲しい、俺は別に人を傷付ける事に興味なんて無いんだ。俺が興奮する要因はあくまでも君なのさ。俺が他者に殺意を抱く理由なんて単純さ………君は俺のもの。そして俺のものである君を横取りしようとする輩は放っておけないよね、簡単だろう?




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