嫉妬と狂気




 今までは、スマートフォンで盗撮した君の写真を見ながら自慰すればそれで気が済んだ。だけど日に日に、それだけでは物足りなくなってしまっている自分に気が付いた。もうこれ以上、この気持ちを抑えておく事なんて出来ないかもしれない。



ねぇ、もし俺が好きだと言ったら、君はこの愛を受け入れてくれるのだろうか?



君への想いが止まらない、溢れ出してしまっている俺のこの体液の様に、俺の君への気持ちももう蓋が閉まらない程に溢れてしまっているんだ。


いつでも君の姿が見れるように、向かいのアパートの、丁度君が居る部屋の向かいの部屋を借りた事には、もう気付いているだろう?想像するんだ、今君が夕食を食べていて、その料理につけるのは醤油がいいか、ソースがいいか、君が俺に聞くんだよ。それで俺は「君がいい」そう言って君にそっと口付けをすると、舌をその小振りな口の中に詰め込むんだ。君の唾液を全て味わった後、今度は君に俺のを味わわせる。

あ、噂をすれば、君が帰ってきたみたいだね、部屋の明かりが付いた。



…………その男は誰なんだ?



触られている君が、少し嫌がっているように見える。彼氏か?セフレか……?男をそんなに簡単に家に入れるなんて、全くしつけがなってないよ。いつかちゃんと教えてあげなきゃいけないね、何が良くて、何が駄目なのか。

それにしても相変わらず馴れ馴れしく触るその手を切り落としてしまいたいよ。

その男の名前も職業もどうだっていいよ、今すぐその家から出て行ってもらおうか。


君は俺の物だって、分かってるよね?





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