六腕三眼、鬼の神
min(みならい)
前書き
前書き
♪おにがみ おにがみ
りくわん さんがん めいかいしん
これは、鬼神(きしん)を祝う、お祭りの歌です。
おにがみとは、鬼どもの神のこと。鬼どもとは、オーガやゴブリンです。
りくわんとは、6本の腕のこと。
さんがんとは、3つの眼のこと。
めいかいしんとは、冥界の神のこと。
鬼神は、オーガやゴブリンのご先祖さま。
その姿は六腕三眼(りくわんさんがん)、赤く大きな猿のごとし。
そして死後の世界、冥界を統べる神でもいらっしゃる。
鬼神を祝うオーガの祭りは、いまではすっかり少なくなってしまいました。オーガの数が減ってしまいましたからね。だからみなさんは御存知ないかもしれない。しかし、とても陽気なお祭りなのだ。参加した人は、「にぎやかで楽しい祭りだなあ」と感じることうけあい。
ただし、大変に危険なお祭りでもある。興奮したオーガの男は、なんら理由もなく、近くにいる人間をぶん殴る傾向にありますのでね。
六腕三眼、鬼の神(りくわんさんがん、おにのかみ)。
これは、オーガの神である、鬼神(きしん)のお話。
鬼神がお生まれになり、『力』を授かり、六腕三眼の神となる。ついには冥界の王となるまでのお話です。
──ああ、身がまえることはありません。
鬼神は気さくな神さま。その人生は、面白おかしい冒険譚(ぼうけんたん)。
酒でも呑みながら、楽しく聞いて頂ければ結構。
これは、いまの世よりもずうっと前のお話。
千年よりも、もっと前。
神竜(じんりゅう)がまだ生きておったころ。
まだ『鬼神』の御名(みな)も、この世になかったころの話・・・
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