第15話 すべては数で表される
「
旧来の「数秘術」は誕生日の生年月日から、その人を読み解こうとしました。
また氏名のアルファベットを数字化してその人が持つ運命を導き出そうとしたのです。
これらは、数を絶対視した「カバラ」の教義が、ピタゴラスの「宇宙の全ては数から成り立つ」という宣言に基づくものだからです。
「カバラ」はその経典に数の暗号を隠していたとされます。
昔の「数秘術」の書籍には「ピタゴラスがカバラの信者だった」とする向きもありましたが、これは明らかに間違いです。
紀元前六世紀を生きたピタゴラスが、西暦の時代に生まれた「カバラ」にどうやって入信できたのでしょうか。
そういった背景の不確かさはあったものの「宇宙の全ては数から成り立つ」というピタゴラスの見解を、実践したのが「数秘術」であった事実は拭い去れません。
そして生年月日からその人を読み解こうとするものはなにも「カバラ」の特権ではありません。中国にも存在しました。『四柱推命』です。
また氏名からその人の運命を導き出したのが『姓名判断』です。
つまり、同じ発想は洋の東西を問わずありました。
もちろんより深い『西洋占星術』がありますが、より簡単でシンプルに数を扱った「数秘術」は、そのお手軽さによって「人の読み解き」を誰もが使えるようになったのです。
その特性を20世紀初頭において現代版に更新したのが「現代数秘術」なのです。
では、どのようにしてその人を表す「数」を導き出すのでしょうか。
それは「すべての数を足して、一桁になるまで足し合わせる」のです。
これから取り上げる「生年月日」「氏名のアルファベットを数字化」するだけではありません。
携帯電話の番号やメールアドレスやパスワード、銀行口座やクレジットカード番号、住所やペンネームに至るまで。
数にできればなんであれ、還元して読み解けます。
日本人なら一生変わらない「マイナンバー」も還元できるのです。
まさか国によって割り振られた数に縛られるとは、なかなか思いつかないのではないでしょうか。
たとえば村上春樹氏なら「1949年1月12日生まれ」なので、この数字をすべて足し合わせます。二桁になったら十の位と一の位を足します。
「1+9+4+9+1+1+2=27 ⇒ 2+7=9」
これで村上春樹氏の生年月日の数は「9」です。
生年月日をすべて足し合わせて出来た数を「Life Path Number(ライフ・パス・ナンバー)」または「運命数」と呼びます。
数字を足し合わせるときの方法は書籍によって違いはあるものの、基本的には以下の手順に従います。
(1) すべて数を足し合わせる
(2) 二桁になったら十の位と一の位を足す
(2)’ ただし足し合わせた結果「11」「22」「33」になったらその数で止める
こうして「1〜9」「11」「22」「33」として得られた結果が、その人を読み解く数となります。
もちろんなにを足し合わせるかで数が変わり、同じ人なのに複数の数を抱えることになります。
たとえば「生まれ日」だけを足した「Birthday Number(バースデー・ナンバー)」と、「生まれた月日」を足した「Attitude Number(アティチュード・ナンバー)」、「生年月日」を足した「Life Path Number(ライフ・パス・ナンバー)」は、まったく同じ生年月日がもとでもたいていの場合変わります。
もちろんそれぞれその人を読み解く範囲が異なり、すべて別の数でもその人の特性をピタリと当てられるようになります。ただ、読み解くのには慣れが必要です。
小説のキャラクターを創るとき、キャラクターの「生年月日」を決めるより、その人の運命がわかる「Destiny Number(ディスティニー・ナンバー)」を用いるのが一般的でしょう。「氏名のアルファベットを数字化して足し合わせる」ことで求められるので、漢字の画数から読み解かなければならない『姓名判断』よりお手軽に読み解けます。
「氏名のアルファベットを数字化して足し合わせる」方法は次回第15回でまとめます。
第16回からは「生まれ日」だけを用いた「Birthday Number(バースデー・ナンバー)」を取り上げます。たった「1〜31」の31種類しかないものを選り分けていきます。
では、数秘術をマスターして、小説のキャラクターを定めるために、歩みだしましょう。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます