【SS】ちょっとした
枝折(しおり)
ちょっとした
僕はちょっとしたことに気がつくのが得意だ。
例えば、ちょっとした善行。
落ちているゴミを拾ったり、お釣りを募金箱に入れたりする人がいると、その行為が自然と目にとまる。
偉いね、と指摘してあげると、人は喜ぶ。
僕のことを好きになって、何故か信頼のおけるやつだと思うようになる。
だけど、ちょっとびっくりしちゃうくらい、人はちょっとしたことに気がつかないみたいだ。
例えば、ちょっとした悪行。
僕は明らかに失敗しそうな告白を後押ししたり、苦すぎるコーヒーをなんてことない顔で振る舞ったりする。
人は嫌な思いをしても、僕を責めない。
わざとだなんて思いもしないみたいだ。
でもまあ、いいよね。
ちょっとした憂さ晴らしでもしなきゃ、こんな世の中生きていけないもの。
【SS】ちょっとした 枝折(しおり) @shiori_23150
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます