第2話 美少女達とパーティー結成
「どうして森に行きたいんだ?」
「私達は
古の神?ナーシャ?神託って、どこかの宗教の信者か?……いや違う、巫女のスキル持ちでナーシャの加護が2人に付いてる。
これって、新しく付いたスキル鑑定のせいで、俺には判るのか。
「それでナーシャ様は何て?」
「『理の神殿に来なさい』と、なので森の奥の神殿の遺跡が在る所に行かないと行けません」
「行かないと、どうなる?」
「私達の一族の考えでは、この世界に良くない事が起こる時に、神託が有ると言われています」
「ふ~ん、この世界に良くない事ねぇ。何れにしても、自分の身を自分で守れる位でないと、誰も行ってくれないよ」
「そうですよね……」
ありゃりゃ、2人とも落ち込んじゃったよ。
しかしだ、2人とも魔法は使えるし、俺と同じレベル付の面白そうなスキルを持ってる。鍛えれば良いとこまで行きそうだ。
「2人が、そこそこ強くなりたいのなら、協力するぞ」
「「本当ですか!!」」
おっ、元気になったね。
「先ずは、冒険者登録をしな」
「「はい」」
登録は問題なく終わった。俺はAクラス、2人はFからだ。
「処で魔法は、どんな感じで使えるの?」
「私達の一族は争いを好まない農耕民族で、生活や仕事に関係ない魔法はあまり使いません」
「スキルの方は?」
「スキル鑑定の儀で授かったのですが、意味が良く解らなくて」
「そうか。でも、これからは嫌でも魔物相手に使わなければダメだよ」
「解りました」
「じゃあ、自己紹介だ。俺はシンだ、宜しく」
「「私達は、リサです。レナです」」
「自分の属性は解っているよね」
「闇と水です」 「光と火と土です」
魔法は俺が教えるとして、問題はスキルだな、"悪夢"と"振動"だ。何のこっちゃ?だな。これは後回しだ。
「よし、ゴブリン討伐からだ。行くぞ」
「は~い」
ーー
ふぅ~、風呂はやっぱり気持ちいい。今日も無事終了だ。
やはり、あの娘達は筋が良い。なるべく早く森の中の神殿の遺跡に、行かないといけないのが問題だな。
Aクラスの俺がいれば、難しい依頼も受けられるし、パーティーを組めば、俺が魔物を倒してもレベルが上がる。この方法で行くしか無いよな。
日に日に上達する姿を見るのは楽しい。自分の若い頃を思い出す。今日は、オークの村の殲滅依頼で来ている。
闇属性のダーク・バレットと火属性のファイアー・ボールを使ってオークの頭を撃ち抜いて行く。
2人とも魔力操作が非常に上手いのだ。ダーク・バレットは魔力操作で用途によって弾の形を変える、農作業で土に埋まった硬い岩を砕く為に、色々と工夫したみたいだ。ファイアー・ボールの方は火の温度を調節しているとの事だ。
なぜ出来るのかと聞くと、生活魔法で煮る・炊くなどで必要で自然と覚えたそうだ。凄いね。
俺はと言うと、剣で戦っている。だが、ただ斬っている訳ではない。
剣の前に1mm程度の薄い時空間を造り、斬る対象物の部分が入った時、時空間の部屋を閉じるのだ。するとそこは、スパッと切れて剣で斬った様に見える、と言う訳だ。
俺達の他に、Cクラスの冒険者が3組来ているので、200頭近くいたオークは30分程度で片付いた。
これで2人は、Dランクに上がれるだろう。1ヶ月弱なので中々だ。
「お疲れ、Dクラス昇級おめでとう」
「「ありがとう御座います」」
お疲れ会と言う事で、ちょっと高級な店でお食事だ。可愛い女子を2人も連れているので、少し誇らしいし、ワインも美味い。
「さて、最後の仕上げは、スキルを使う特訓だ。2人には俺の考えは話してある。明日は各自、どの様にすれば良いか考えておく様に」
「「はい」」
森の中で、木に縛り付けて有るゴブリンを睨みつけ、リサとレナは20分近く唸っている。
「う~ん」 「むぅ~ん」
しかしゴブリンに変化は見られない。
悪夢と言うからには、相手に嫌な夢を見させるのだろう。それを突き詰めると、精神攻撃スキルだと思ったのだ。
振動も解釈に骨が折れた。コップに入った水が揺れる事しか想いつかなかった。
偉そうに昨日は言ったが、2人にはこんな事しか伝えれなかったのだ、簡単には出来ないと思ったが、産みの苦しみはやはり大変だ。
それから2、3分経った頃、リサのゴブリンが汗をかき始めた。気持ち悪そうだ、鼻血が出てきてガクガク震え出した。そしてピクピクと痙攣して動かなくなった。息絶えた様だ。
これは成功したな。レナのゴブリンも急に項垂れた。どうした?死んだ様だ。耳から血が出ている。理由は解らん。
2人供、一応は成功と言える。これからは時間の短縮と、他の使い方を考える事だ。
「よっしゃ、休憩しよう」
「「ふぅ~」」
何度も練習し、ゴブリンから格上の魔物に切り替えて行く。オーガまで、瞬時に倒せる様になったので、この辺で良いだろう。後は経験を積んで技を広げるしかないのだ。
「これで2人は、冒険者として格好は付いた筈、腕に自信の有る冒険者なら、ちゃんと説明すれば頼みを聞いてくれる確率が上がっただろう」
「シンさん、ありがとう御座います。どうやってこの恩を返せば良いのか」
「この世界を救ってくれよ」
「「はい、頑張ります」」
この日は3人で、盛大にお別れ会をやって楽しんだ。
ーー
リサとレナと過ごした日々は新鮮で楽しかった。充実感一杯だ、肩の荷が降りた感も素晴らしい。別れてから3日が経つが、音沙汰が無いのできっと無事に護衛の冒険者を見つけて、森に行ったのだろう。
宿のベッドで想い返していると、ドアを叩く音がする。誰だ、こんな遅くに。
「どうぞ」
入って来たのは、泣きじゃくっているリサとレナだった。
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