桜の樹の下で＝あなたと見る空の色＝

香鳥

　25年前、二人の男の子は桜の咲く有栖川宮記念公園で迷子になりました。

　1歳の陽司（ようじ）と4歳の沙羅（さくら）。

　24年後、二人は東京･銀座で小さな事件をきっかけに再会します。

　反発しながら、でも沙羅を知るほど惹かれていく香月（かづき）。

　男同士とわかり自問自答してもなお、好きを止めることができなくて。

　香月からの好意と迷いの綯（な）い交（ま）ぜな感情に、自分の存在が香月の将来の妨げになることを恐れた沙羅。

　無理やり自分の感情に蓋をしても、遠い記憶の欠片が疼き出してしまう。

　何故、そこまで執着するのか？

　悩んで、しかし互いの手を離す二人──。

　二人が答えと24年前の偶然を取り戻すのはその一年後。

　奇しくも桜が満開の、あの公園でした。

　一緒にいたい。

　ひとめあなたと。

　ずっとあなたと。

　ただそれだけ───。

　1歳と4歳のバイバイ

　25歳と28歳のさようなら

　そして

　26歳と29歳で繋ぎ直した手は温かくて

　満たされた･･･なのに？あらら

　陽司くんが悶々としはじめちゃった！？

　✧これまでのお話し

　桜の樹の下で＝24年目の約束＝

　次話は「ひとつめの約束」です。

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