第23話始まりの狼煙

デーテルの通信を聞き急いで帰った俺はとりあえず現在の状況を聞きに城へ戻った。おそらくプルネーマさんの配慮で城の近くに帰してもらえたんだろう。


「すまないデーテル。帰るのが遅れた。」


「ほんとにですよ。1ヶ月も何してたんですか。」


「1ヶ月も?2週間とちょっとかと思ってたんだけど…。」


「まあいいです。とりあえず今はアスラーさんたち第三魔王軍が上手いこと時間をかけてくれています。それとアスラーさんから通信で曰く敵は弱いけど数が多すぎる。とっとと来い阿呆との事です。早く準備をしてください。」


「分かった、すぐに行く。デーテル達も準備しろ。それとこっちも通信ができるならアスラーに『今帰った。すぐに行くから待ってろ』と伝えてくれ。」


「分かりました。伝え次第出発しようと思います。それと城をもぬけの殻にするのは良くないのでこちらの軍の3分の1を置いておきたいのですがよろしいでしょうか。」


「残る人がそれでいいなら構わない。じゃあ俺はそろそろ行くよ。後からでいいから合流するぞ。」


「お一人で行くということでしょうか?いくら足の方が速いしても体力は持ちますか?」


「いや、こいつでんだよ。『大罪の黒翼』」


瞬間俺の背中に6つの黒い翼が現れた。さすがプルネーマさんだな。今回の戦争に使える能力ばかり解放されている。


「凄いですね。疲れとかはないんですか?」

「ああ、大丈夫だ。それじゃあ俺は行くよ。」


「分かりました。すぐに追いつきます。」


飛び方は大丈夫のようだな。まるで自分に前から翼が生えていたかのようだ。


********************


「アスラー!」


「!?ナノハか。全く、帰ってくるのが遅すぎるぞ!というか空を飛べるようになったんだな。」


「ああ、でもその話もあとだ。それで戦況は?」


「概ね上々だ。どうやら向こうは私たちがいるとは思っていなかったようでな。こんなにも早く奇襲を受けるとは思っておらず狼狽えておったわ。ただそれでも数が多すぎてな。1週間ずっと撃退し続けて兵士たちも疲れきっておってな。ギリギリだったのだよ。今戦えるのはこちらの兵士は全7万人の内1万人ほど、向こうは10万人以上。もしくは20万人に届くほどいるな。」


「すごい量だが、問題は無い。アスラー、すぐに兵を下げてくれないか?」


「撤退か?1人で10万以上の人間をどうにかするつもりか?」



「正確には俺ともう1人だな。それにこの方法なら相手の9割ほど倒すことが出来るぞ。」


「分かった。その自信に免じて信じてやろう。我が軍に命令だ!直ちに撤退しろ!いいか!撤退しろ!」


「ふう、とりあえず我らの軍は撤退させたぞ。何かあったら助けてやる。思う存分やってくれ!」


「了解!それじゃあ行くぞ!『増長スル嫉妬心』あの大軍が対象だ!」


よし、。この能力は簡単に言うと自分の嫉妬心を相手にぶつけたくなるだけの能力だが、今回のように大人数に対しては恐ろしい程に効果をもたらしてくれる。さあ、そのまま仲間同士で傷つきあってくれよ?


「ダメ押しでこいつだ!『強欲ノ悪魔』こい、マモン。」


【たかだか1ヶ月程度で我を現世に召喚できるほどの力を手に入れるとはさすがだな。】


「それでも今回はプルネーマさんとマモンのおかげだがな。まさかあのタイミングで自分を召喚できるようにさせるとは思わなかったよ。」


【まあ我は強欲だからな。この程度造作もない。それで、我もあの醜き人間を相手すれば良いのだな。】


「ああ、全員やってくれ。」


【了解だ。】


これで攻めてきたヤツらは問題ないな


********************

(sideコクレン国)


「おい!どういうことだ!なぜ第三魔王軍があそこにいるんだ!」


「分かりません。ただ今回こちらが攻めてきたタイミングで我らに侵攻したこともあり向こうと何かしらの接点があるとみていいでしょう。それよりどうしましょうか。まさか敵がいるとも思っておらず、多いだけで十分に撃退する力を持っていません。」


「仕方がない。幸い全滅までにも時間がかかる。その間に実力者を集め第三魔王軍を撃退するぞ!それと勇者を呼べ。全戦力で叩き潰すぞ!」


「分かりました。すぐに各国に手配します。」


まさか魔王同士で手を組んでいたとはな。ちょうどいい、4人も勇者も来た事だし第三魔王もついでに討ち取ってやるか。


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拙い文章ですが精一杯頑張りますのでよろしくお願いしますm(_ _)m


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