12話:優しい微笑み

俺は、自由商業都市に来て、商人にポーションを買い取ってもらう為に来ていた。


 商人「アークさん、いつも御ひいきしていただいて、ありがとうございます」

「あの~ 相談がありまして、アークさんの作る武器に銃を製造できると聞きまして、私の所に納入させて欲しいのですがよろしいでしょうか?」


商人が俺の作る銃を商売したいようだが、ユピテルに目を向ける。


 ユピテル「ぜったいにダメ!」


予想はしてたが、そうなるか・・・・


 アーク「申し訳ないが、扱いの管理、保証が出来ない状態では、渡す事はできない」


 商人「そうですか・・・ 残念です」


商人は落ち込むけどしょうがない。またユピテルに本を破かれるのは困る。


数日前に、本を見てたら、[種族の覚醒]のページが読めるようになってた。


!? そこには、他種族の子ができる調合魔法の説明が書かれいて、精霊族は魔力に長けて・獣人族は身体能力に長けて・人族は知能に長けてる。他種族と交わる子はその両方の長けた能力がそなわると書かれていた。


ページを読んでる途中で、ユピテルが急に本のページをむしり取り、バチバチいいながらページの紙は、炭になった。


 アーク「何やってるんだ!」


 ユピテル「この秘薬の調合は覚えたらいけません! これは不幸にする秘薬です。」


 アーク「何言ってるんだ! これは父と母が愛し合って俺を生んでくれた、素晴らしい秘薬だ!」


その時、ユピテルの表情が、悔しい思いと、悲しい思いが、混ざった表情で泣いていた。


 アーク「なぜ泣くんだよ・・・」


それからは、逆に俺がユピテルを見るようになった。




商店から出た俺は、村に帰る準備をしてた時、ユピテルがある人物を見続けてる。


そこにいたのは、男の子と女の子の獣人がいた。よく見ると服はボロボロで、貧しげな身なりだった。


 ユピテル「あなた達ここで何してるの?」


 男の子「薬草の採取してきて、調合士に買い取ってもらう予定だっただけど、最近ポーションが売れないから、必要ないって言われたんだ・・・」

「だから、今日の食べ物を買えなくて困ってるんです。」


ユピテルがこちらに近づき、小声で話す「もしかしてポーションアークのせいで、断れたんじゃないの?」


 アーク「たしかにそうかもしれん・・・」


 ユピテル「ねえ、親はどこにいるの?」子供に尋ねる。


 女の子「パパもママも死んじゃった。」


 ユピテル「・・・じゃあ、お家はどこなの?」


 女の子「家もないよ」


 ユピテル「アーク! この子たちを私たちの家に住まわせましょう!」


 アーク「無理だ!」


 ユピテル「なぜ?」


 アーク「まず、あそこは借りてる家だ。 そして獣人に襲われて、ひどい目にあってるのに村が納得しない。」


 ユピテル「じゃあどうすればいいの?」


 アーク「しょうがない、あくまで応急処置だからな」


 ユピテル「?」


俺は、町外れの平らな土にの上にテントを張り、そしてテントの中に電球ランタンを掛ける。そして2週間分の食料を保存できる冷凍ボックスを設置する。


テント裏に回りユピテルに声を掛ける「ここの鉄に電気を充電してほしい。」


ユピテルは、電気を注ぎながらアークに話す「ねえ、この装備品どこから出したの?」


 アーク「このポーチの中に収めてた。 もしもの時に用意してた」


 ユピテル「そんな小さなポーチの中に、あれが入ってたの?」


 アーク「そうだ、これは俺が考えた、異次元ポーチだ。中は異空間で、かなりの量が入る」


ユピテルが感心してる。いつもは、魔神の物を嫌うのに珍しい。


 アーク「これで何とかなるだろう。後は、2週間後にまた来る」


 男の子「助かりました。本当にありがとうございます」


アークはユピテルの方を見ると、ユピテルが獣人の女の子に、優しい微笑みを見せていた。


その姿に、かわいいと思った。

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