第5話 剣に可愛い名前だっていいじゃない

「父ちゃん~お帰り~って誰?」


 奥から可愛らしい女の子の声が聞こえた。


 振り向いた瞬間。



 あら~どういう事でしょう~


 ドワーフ族というのに、美しい金髪と金色の瞳。


 身長は小さいが健康的な体型、そして、何よりも。


「顔が可愛すぎだろう!!!」


「可愛い言うな!!!」


 可愛い子ちゃんが怒り出した。


 怒る顔も可愛らしい。


「ちっ! お前! 僕の剣を触るんじゃねぇ!」


 可愛い子ちゃんが俺にドロップキックをかました。


 ドカーン


 ……。


 ……。


 ……。


「なんで吹き飛ばないんだよ!! そこは普通に吹き飛ぶ所でしょう!!」


「いや、最近強くなったから、そんなキックくらいじゃ痛くも痒くもないんだよ」


「どんなチートだよ!!」


 炎上スキルの効果が二回上昇してくれたおかげで、全然吹き飛ばなくなったわ。


「それはそうと、この剣――――」


 ボギッ、カランカラン。


 剣を持ち上げたら、握った柄部分がボロボロに砕けて、刀身がそのまま落ちた。



「ぎ、ぎやあああああ!! 僕のいちごパフェ三号ちゃんがぁああああ!!!」



 剣に名前付けてるのかよ!


 しかも、名前可愛いな!?



 ゴゴゴゴゴォ



 可愛い子ちゃんの目が真っ赤に光り出し、全身から赤いオーラが立ち上った。


「い、いかん! ヘレン! 暴走しちゃいかん!!」


 ドワーフのおっちゃんが驚いて、可愛い子ちゃんのを塞ぐもたった一発で吹き飛んだ。



「ゆるざねぇええええええ!!!!!」



 そして、可愛い子ちゃんの昇〇拳が俺に直撃し、俺はまた遥か空に吹き飛ばされた。




 - 炎上スキルの効果が上昇しました。-


 またスキルが上昇した……。


 はぁ、取り敢えずお腹空いた……。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る