炎上系ユーチューバーの異世界冒険
御峰。
第1話 炎上系ユーチューバー
俺の名は『ピエル・サンタマリア三世』。
れっきとした日本人だ。
じゃあ、なんで名前があんなだって?
それは、俺が『ユーチューバー』だからである。
今日も知らない店に
これは所謂、炎上系動画になるのだ。
そして――――人々は俺様の動画を待ちに待っているのだ!
赤白のペイントで顔を塗った人物の姿が映っている。
――――そう!
これが正真正銘の俺様こと『ピエル・サンタマリア三世』だ。
まあ、画面を見ているのは冴えない顔の俺だけど……。
とにかく、新しい動画を上げる。
相も変わらず低評価十万に対して、高評価が三万。
世の中じゃ低評価十万って、叩かれたりもするが――――何と、この時代は低評価非表示なのだ!
だから高評価が三万も付くように見える。
俺様の動画を楽しみにしているやつらが三万人もいるのだ!
――と思っていた時期が俺にもありました。
俺は新しい動画をまた撮りに獲物を探した。
そして、見つけて、次の日に『ピエル・サンタマリア三世』として突撃。
の予定だった。
その店を前にした瞬間、隣から俺様にぶつかって来たやつがいた。
たまにいるんだよね。逆恨みのやつ。
またかよと思った俺様の右脇腹に、何やら温かいモノを感じた。
今までの感覚とちょっと違う。
「て、てめぇが悪いんだ!! てめぇの所為で俺の店が潰れたんだから、当然の報いだ!!!」
そいつの叫び声で、俺は自分の右脇腹を見つめた。
そこには、男が刺したと思われる包丁が刺さっていた。
こうして、俺様はあっけなく、人生の幕を下ろした。
◇
――と思っていた時期が俺にもありました!!
二回目のくだりでいい加減飽きたと言われそうだ。
そんな俺は見事に逆恨みで刺され、死んでしまった。
なのに、どうして生きてるのかって?
そりゃあれだ。
気付けば、異世界にいた。
うん。
それだけ。
スキルをくれる神様もいない。
咎めてくる女神様もいない。
ふと気が付けば、当たり前のように広い平原に、俺は立っていた。
「って!! せめて異世界転移させるなら、チュートリアルしやがれ!!!!」
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