私の家にご招待!

「てか、なんでそんなボロ服着てるの!?」


この男の子がなんで私に話しかけてきたのかは分かった。

だけど、さっきから気になっていたけどこの子の服は、驚くほどにボロボロなのだ。

一体何があったらこうなる!?


「いや、あの...お金がなくて。お父さんとお母さんがちょっと前に死んじゃって、身よりもないし、僕の家もともと貧乏だったから貯金もないし。どうしたらいいかなって思ってぶらついてたらこうなってた」


その言葉を聞くと、私は男の子の腕を掴んで歩き出した。

行き先?私の家。正式には、私が居候させてもらってる家。


「ただいま一!」


玄関につくなり、私は大声で叫んだ。すると、いま幼稚園の年長さんの双子、胡桃と海斗が走ってきた。その後から亜樹。亜樹は26のお兄ちゃんで、私達を保護してくれている。私と胡桃と海斗は、身寄りがないから亜樹に保護されているんだ。もちろんちゃんと許可を取って、だよ?


「おねーちゃんお帰り!」


「お帰りー」


亜樹と双子が笑顔で迎えてくれる。


「どうぞ上がってください」


亜樹は、私達の様子から事情を察したようだ。


「お邪魔します」


男の子はぺこりと頭を下げて上がった。

リビングに移動して、亜樹に詳しく事情を話す。


「で、小夏はこの子を俺に保護してほしい、と?」


「うん。それに、霊感の事もわかってもらえるかなって」

亜樹は私の霊感について知ってる。なかなか理解してもらえることがないから、

あんまりベラベラしゃべってないけど、今のところ亜樹が唯一の理解者だ。


「ちょっと考えてみる。とりあえず今夜はうちに泊まってって?」


そう言って亜樹は自分の部屋に向かっていった。

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