青の独裁者

ココアシガレットー!

第1話 青の独裁者

むかしむかし、ある国に青の独裁者がいました。

青の独裁者はいつも赤を青で無理やり塗りつぶしたような色をしたマントをきていました。

青の独裁者は傲慢で、怠惰でした。

それ故に、

青の独裁者は、勤勉な者を嫌い、真面目なものを貶しました。

しかし、青の独裁者が怠惰出なくなる時があります。

それは真面目な者を処刑する時でした。

青の独裁者はその時だけ、その丸い太った顔でニヤニヤ笑うのです。

そうして今日も真面目な者がひとり死にました。

青の独裁者はその者の返り血で染まった自分の青色の服を見て、またニヤリと笑いました。

そして、召使いを呼びこの服を前よりもずっと濃い青で染めてくれと言いました。

それが、怠惰な王の唯一の楽しみでもありました。

そして、いつしか青の独裁者の国からは勤勉で、真面目な者がいなくなってしまいました。

その結果、国は衰退し、ある時の国の中で反乱が起きました。青の独裁者はそれに対抗し、戦おうとしました。しかし、優秀な兵がいなくなったその国はなすすべもなく破れました。

みな、怠惰で、傲慢だったからです。

やがて、王は捕まり死を待つ身と成り果てました。

処刑台に登った時、王は絶望しました。

処刑人が着ていた服が自分が着ていた青のマントだったからです。

その日、青のマントが赤に染まりました。

青に染められることはありません。

しかし、それが青の独裁者の最期だったことは言うまでもありません。


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