フェノールクロロホルム法(核酸抽出法)

 ざっくり言えば、タンパク質などの余計な物質を避けつつ核酸(=RNAとDNA)を選択的に抽出するための手法。pHによってRNAを抽出するのかDNAを抽出するのかを分けることが出来る。

 タンパク質は親水基も疎水基も持つため、水層とフェノール層の中間に集まる。一方、基本的に核酸は水層に移るが、酸性フェノールを用いた場合にはDNAの持つ-OH基が-O⁻から-OHに偏るため、電荷が打ち消されて(=水素結合出来なくなって)フェノール層に移る。なお、フェノールは水と少し混ざり合うが、それを防ぐ為にクロロホルムを使う。また、フェノールはタンパク質を変性させて高次構造を解く役目も果たす。しかし、DNAやRNAの分解酵素はこれだけでは失活しないため、キレート剤(DNA分解酵素は金属イオンが無いとはたらかない、キレート剤は金属イオンのはたらきを抑制するものの総称)や試薬(グアニジンイソチオシアネートなど)を入れたりする。

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