10:Good Relationship

「はい、何か用ですか?」

「いや、別に用があるわけじゃないんだがな。それより一緒に食べてるなんて随分仲良くなったんだな」

これは仲が良いと言うのだろうか。

「まあ、そうですね」

と山下さんが言った。

ほう……仲が良いと思われているのか。

「そうか。わたしも仕事があるから、失礼するよ」

と言い残し先生は去っていった。

そうしたら

「あれ?二人で食べてるの?」

今度は優依が来た。

「ああ。二人で食べてるな」

「どうしたの?最近仲良さそうだけど」

やはり俺たちは仲が良いのだろうか

「そうか?」

「うん。山下さんも海斗には敬語じゃなくてタメ口で話してるみたいだし」

そう言われちゃ自分でも仲が良いのかもと思ってしまうな。もしかしたら、仲が良いのかもしれない。

「うーん、まあ良いのかもな」

「なにそれ」

「で、用件はそれだけか?」

「なんでそんな邪魔みたいな言い方するのよ」

「別にそんなつもりで言ったわけじゃないが」

優依と会話をしていたら山下さんが

「二人の方こそ仲良いんだね」

「実は幼なじみなんだよね。あと同じバイト先」

「へ〜、そうなんだ。バイトって何やってるの?」

「喫茶店」

「なんか大変そうだね」

「まあそこまででもないけどね」

ん。そろそろ昼休みも終わるな。とか思ってると。


キーンコーンカーンコーン キーンコーンカーンコーン


予鈴が鳴った

「じゃ、そろそろ行くか」


午後の授業は何故こんなにも眠いのだろうか。そして今日は特別眠い。隣の部屋にクラスメイトの女子が住んでるとか思うと、なんか寝れなかった。女子への耐性が出来ていない男というのはこんなものなんだろうか。


その後、何とか眠らずに学校は終えたがマジで眠い。


「さっきからあくびしてるけど寝てないの?」

山下さんが話しかけてきた。なんか気遣ってくれると嬉しいもんだな。

「うん。ちょっと寝れなくて……」

「大丈夫なの?」

「ああ、うん。大丈夫」

そんな話をしながら一緒に校門まで歩いて行く

「じゃあ、俺バイトあるからここで」

「ねえ」

「ん?」

「志崎くんのバイト先行ってみてもいい?」

「え?まあ別にいいけど」

いいのか?まあ、いいのか。

「やった」

今までにないほどの輝かしい笑顔だった。ああ、眩しい。

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