第12話 「聖女様の家」
「えっと……じゃあこの椅子にかけて待っててもらえますか? 私は飲み物を取ってきますので」
「は、はい!」
(ここが、クレア様の家……! ど、どうしよう、女性の部屋に入るなんて、初めてで、なんだか緊張してきた!!)
(やばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばい!!! どうしようどうしようどうしようどうしよう!!!!!! ついつい、健気で可愛らしいユウタ様を見ていたら、流れで家にいれてしまったわ!! これってもしかして誘拐……? 私、今日、もしかして逮捕される? と、とりあえず紅茶でも飲んで落ち着きましょう……)
「こ、この紅茶、とっても美味しいので、ぜひユウタ様もどうぞ……」
「は、はい! いただきます」
ゴクゴクゴク……。
(あ、美味しいな、これ)
(どうしよう、いつも飲んでるはずなのに、緊張しすぎて、味全然わかんない!!)
「え、えっと……クレア様」
「は、はひ!!」
「は、はひ? えっと……今日は、本当にありがとうございました。クレア様のおかげで、アイスゴーレムを倒すことができましたし、何より戦闘の厳しさを教えていただいて……」
(あれ……? 何かむしろ感謝されてる? あれ、でもアイスゴーレムは、わかるけど、戦闘の厳しさなんて私教えたかしら……)
「あの……ユウタ様は、私の姿を見て……怖いとか……その思わなかったんでしょうか?」
(あとは、ゴリラクソ女とか)
「怖い? そんなこと思うわけないじゃないですか!! むしろカッコ良かったですよ!! 美しいだけじゃなく、強くてカッコいいだなんて!! 僕、ますますクレア様のことが好きになりました!!」
「す、す、す、す、す、好き!?」
「あっ……!! い、今のはついこ、言葉の流れで!! で、でも悪いイメージ何て全くなかったですよ!?」
(ど、どうしよう。何か意識し始めたら緊張してきた! 今まで意識してなかった分、改めて見るとクレア様って、ほんとに可愛らしいし、僕の理想の女性だ……
あぁ、急に恥ずかしくなってきた)
(あばばばばばばばば!! す、す、す、好きって言われちゃった!! そんな恋愛的な意味じゃないんだろうけど、好きって言われちゃった!!!!!
はあああああああん!!! 何で今の録音してなかったのかしら!! 私のバカ!!!)
「あ、ありがとうございます……でも私は、ユウタ様もカッコイイと思いますよ」
(え、えぇ!? 今のってそう言う意味じゃないよな……!)
「で、では、そろそろ遅い時間ですし、解散致しましょうか」
「は、はい!!」
バタン
(あぁ……!! 幸せええええええええええええええええ!!!!!)
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