これからの僕達

@kon_on

第1話 2人の想い

 僕は高校2年生、木村柊人しゅうと。クラスのやつからは「しゅう」と呼ばれている。何の変哲もないただの高校生だ。僕は生まれてきてから1度も[恋]というものをしたことが無い。そもそも[好き ]という感情が分からないのだ。いや、分からなくなったという方が正しいのかもしれない。僕は女子に何度も、何度も、騙されてきた。だから女子に対して苦手意識を持ってしまった。周りのクラスメイトは恋したいだの、付き合いたいだのと言っているがよく分からない。だがそんな僕にだって女友達はいる。名前は木村しおり僕と同じく高校2年生だ。まぁこいつとは小さい頃からの付き合いで、いわゆる幼なじみにあたるわけだ。お互いが赤ちゃんだった頃からずっと一緒にいるから、もう17年の付き合いになる。こいつは、僕が何度も女子に騙されるのを見てきた。同じ苗字だから栞との関係も何度もいじられたりした。なのに僕が傷つく度に側に寄り添ってくれていた。なんでそんなにお世話をやいてくれるのか、気になったから聞いてみた。

「なんでお前はそんなに僕のことを助けてくれるんだ?」

「え?好きだからに決まってるじゃん!付き合ってくれてもいいんだよ?」

「誰がお前なんかと付き合うか!」

「酷い!?」

 いつもこんなやり取りを繰り返している。好きと言ってくれていたが、本当なのか嘘なのか、僕には全く分からなかった。

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