クリスマス 贈り物 意味
何が欲しい? って聞いたら、多分あいつは答えられないだろうからある程度はこっちで考えなければならない。
食いしんぼうなあいつのことだから、食べ物の方がいいかもしれない。
好きな食べ物なんて山ほどあるから、食べられないものを聞こう。
「ねえ」
「ん?」
「欲しいものとかあったりする?」
一応だ。一応。
「世界のすべて」
そうだった。厨二を拗らせているんだった。
もう、高校生にもなるのに。
「ソレハイイココロザシデスネー」
「なんだよ自分から聞いといて」
「ベツニー?」
「わりと本気なんだが」
うん、本気の方がやべえよ。
「食べられないものある?」
「アレルギーは特にないぞ」
「苦手なやつは?」
「セロリ」
誰もクリスマスにセロリ1本贈らねえよ。相場はお菓子なんだよ。
「お前は?」
「くるみ」
「いや、そうじゃなくて」
「?」
「欲しいものとかあったりすんの?」
・・・お前かな。うわ俺気持ち悪い。
まあ絶対にこんなこと言わないけど。
「マフラー???」
「最近寒いからな。まあ、おおよそ男子高校生がねだるものでも贈るものでもないが」
「うっせ」
いんたびゅーは全く参考にならなかった。
というか世界のすべてが欲しいんじゃなかったのかよ。お前の全てにセロリは含まれないのか。世界のすべて(セロリ以外)ですか?
プレゼントねえ・・・。
仕方がない、Google先生を使おう。
1週間悩んだ挙句、俺はキーケースを送ることにした。
あいつはしれっとクッキーをくれて。さすが食いしんぼう、ものすごく美味しかった。
というか俺に希望を聞いた意味だろ。なんだマフラーって。我ながら恥ずかしい。
キーケースの革を見て、あいつははしゃいでいた。眼をキラキラさせて、「かっこいいぃぃ!!」だってさ。
本当、厨二だ。
そこに込められた意味になんて気づかなきゃいいけど。
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