第3話 風習、しきたり
50世帯ほどの、集落。
都市部には車で30分ほど走らないと着かない。観光資源は豊富だが、最寄駅は車で15分と、かなりの田舎。
そこで、私は生まれた。
集落の殆どは同じ苗字で、
親戚同士。
聞けば、800年ほど前からこの地にずっと住み続けているらしい。
市の図書館の地域の民俗資料のコーナーへ行けば、我が家のご先祖の名前が出てくるなど、それなりに歴史はあるようだが、
特に裕福なわけでもなく、あるのは広い敷地の庭と、田んぼが少々。
この集落での、風習やしきたりがあった。
当時は当たり前だと思っていたが、
徐々にそれがこの集落だけのものであると知った。
まず、月に2回は、『寄り合い』と呼ばれる町内の飲み会がある。
集落の中心に位置する集会所で、それぞれの家の長が集まり、酒を飲むのだ。
次に、氏神が祀られている近くの神社の灯明番。
毎日、当番になった家の者が夕方、神社の灯籠に蝋燭を灯しに行く。私も幼少期、学校から帰ると祖父に頼まれて行っていた。
他にも、町内全員参加による、用水路の掃除、先程の神社での祭りの際のお囃子の練習(篠笛、太鼓)など、独自のルールが細かく定められていた。
その中でも最たるものが、
『家臣会』
だった。
次章にて、『家臣会』について述べる。
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