8話 ワイバーン再び! 戦うは天才魔法使い!?
ハンザ・コルニスが加入して3週間が経った。その間、ソウとルイは手合わせもしくは依頼をひたすらに繰り返した。ハンザは依頼をこなしてはたまにソウとルイの指導を手伝ってくれている。ソウもルイも成長している。
(問題があるとするなら)
と、リュウガはマイに視線を向ける。マイのモンスター恐怖症問題が解決していない。別に解決しなくてもマイは良くやってくれている。このギルドは森の中にある。それにも関わらずモンスターが近づかないのはマイが張った
(とはいえ、ギルマスがモンスター討伐経験なしはNo. 1になる上では知られたくねぇな、他のギルドには)
運命の宿木は5人という小規模ながらSランクが2人、Aランクが1人という質の高さから評判が良く、総本部からの依頼だけでなく、個人からの依頼も増えてるのである。
(スパルタになるが)
「ギルマス、ワイバーン討伐行くぞ」
「いいよ〜、、、、えっ?」
◇
ラグラグ山というギルドがある森から西に進むとある山でそこをワイバーンが縄張りとしているらしい。マイは当然嫌がった。そんなマイをリュウガは
「無理だから! 知ってるでしょ! わたしがモンスター怖い事!」
「安心しろ。俺がお前を背負ってワイバーンの攻撃を全部避ける。お前は魔法を放つだけだ」
これがリュウガがマイを背負っている理由だ。人を背負ってワイバーンの攻撃を避けるなんて普通は無理なのだがこの男はそれが出来る。ワイバーン、リヴァイアサンと討伐しているのだ。信じるしかないと、マイは腹を括った。恐怖を克服したい気持ちはあったし、ギルマスとしてメンバーを信じるのも仕事だ。
「おっ、来たぞ。ワイバーンが」
余裕そうにしてるリュウガに対してマイは、リュウガの背で荒い呼吸をしている。
「それじゃ、お前のタイミングで魔法を使え。俺はお前を背負ってワイバーンから逃げ続けるから。」
「う、うん」
背中から震えを感じる。無理もない、それでも、
「お前を守るのは別世界だけじゃなくこの世界でも最強の男だ。かすり傷どころか触れる事すらさせねぇよ」
そう言うと走り出した。ワイバーンもそれを追う。凄まじい速度だ。しかし、リュウガはその気になればワイバーンを置き去りに出来るがマイに負担がかかるし、魔法の狙いをつけさせるためあえてワイバーンより少し速い程度に抑える。
(モンスターが近い、怖い怖い怖い怖い怖い怖い!)
そんな考えが頭を埋め尽くす、だが一向にワイバーンとの距離が
(凄い、本当にリュウは強いんだ!)
自分のところのサブマスターの強さを感じ、気持ちが落ち着く。
(自分は運命の宿木ギルドマスターとしてギルドをNo. 1に導くんだ!!)
その気持ちを胸に杖に魔力を集中させる。
『蒼雷』
雷の最強魔法を放つ。放たれた蒼い雷はワイバーンに直撃する。Bランクのモンスターなら消し炭に成る程の一撃だ。しかし、相手はSランクモンスターのワイバーン。ダメージが入りところどころ焦げてはいるもののまだ倒れるには至らない。それどころかダメージを受けた事により激昂、加速して鋭い牙による一撃を見舞おうとするが、
「充分だ」
そう言い、ワイバーンがいる方に向けを変えその勢いのまま、抜刀し首を落とした。リュウガが使う練式剣術の居合斬り、技の名を ‘
ドサッ!
と、音がしてワイバーンの死体が落ちる。
「お疲れさん、ギルドマスター」
緊張が切れたのか眠ってしまっている。そんなマイを見てリュウガは優しく声をかけ、ラグラグ山を後にした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます