第20話 激闘
長老たちと別れて 一歩踏み出してみると
不思議と恐怖感は薄らいでいった。
それよりどうやるか?
どう攻撃するかで頭がいっぱいになった。
ここからかなり前進して、射撃の最適ポイントまで
辿り着かなくてはならないんだ
チャンシーの進撃はもう始まっていて部隊の
一部がこっちに向かっている。
ギズモの送ってきた映像では、やつらの戦車や
装甲車などの車列が延々と続いていた
「うん! まず、そいつらをかたずけなければ
敵を撃ち漏らすことになるだろうな」
俺は、まず手つかずのマガジンにチェンジすると、
グレネードランチャーにボタン電池のような
ハイパー鍛造弾を込めた。
そして、迫りくるチャンシー軍団の方へ駆け出したんだ。
ガギッ ズゴゴゴォッ
木々を押し倒しながら無砲塔に近い、とても鋭いシェイプを
もった戦車を先頭にターレットのある歩兵戦闘車両
そしてAPCが十数台が続いてこっちに向かってくる
ジュギューン! グバァーーン!
MBTの主砲が轟然と炎を吐いて 近くにあった
遺跡を吹っ飛ばした!
反動でズン! と後退した砲身と車体周辺に濛々と
射撃後の煙が立ち込めている。
おれは、岩陰に飛び込むと素早く狙いを定めると
車体と砲塔の間を狙ってハイパー鍛造弾を撃ちこんだ。
バキューーーン!
空気を切り裂く強烈な発射音とともに鍛造弾は戦車を貫いた
積んでいた弾薬が誘爆をおこして戦車は派手に吹き飛んだ!
いけると確信した俺はギズモが示すターゲットに
向けて、ハイパー鍛造弾を放って次々と破壊していった。
マッハ25のハイパー鍛造弾の威力は、APC(装甲兵員輸送車)
などは一発で数両を貫通してしまうほどの凄まじさだった。
「正直言って弾はとっておきたかったけど、こいつらが
村に侵入したら後の祭りだったからなぁ
ありったけのハイパー鍛造弾で数十両を仕留めてやる」
あちこちで真っ黒い煙と炎を吐き出して擱座する戦闘車両
すると生き残った敵部隊は、ようやく後方に撤退していったんだ。
「よし やったぞ! いまなら距離を詰めるのに絶好だ!」
俺はすばやく飛び出すと、射撃位置につこうと前に進んだ。
ドギュガガアッ! ガギィッ!
突然、胸に強烈なショックを受けて後ろに吹っ飛ばされ
そのまま地面に叩き付けられた。
ブシュ! ブシュシュ!
ドゴオォ~~ンッ!
コンバットスーツのエアバッグによる衝撃吸収が瞬時に
作動して助かったけど頭の中 目や鼻の奥の方で一瞬
本当に火花が散ったね
それで体がしびれて立ち上がれないんだ
首だけ起こすと胸の装甲版が割れてヒビが入っていた。
やられた! このハイテクスーツがこれほどのダメージを
受けるのは恐らく敵のスナイパーが12.7mmとかの巨大な
狙撃銃を使って打ち込んできたんだろ
それに、射撃時の発射音のほうが後から聞こえたんだよな
初速も通常のライフル弾の音速程度なんかじゃなく
電磁気的な加速など使って マッハ3以上とか出しているかもしれない
そういう小さな目標には弾幕弾の対応も限界があるってことだな。
「う~ん いててぇ・・俺もここまでかぁ 残念だ・・
あれ?? だけど走馬灯のような過去の記憶とか蘇ってこないぞ?
それどころか痺れが収まってくると、体の自由が戻ってきた
動ける! 大丈夫だ! 動けるぞ」
幸いに血とかもでている様子もない
多分、装甲版が割れることで被弾時の大きな運動エネルギー
を吸収してくれたんだ。
俺は痛みをこらえて、なんとか身をおこした。
既に弾道からギズモドローンが敵の狙撃手の位置を探知していた
手の込んだギリースーツを使って、巧妙に隠れているがキズモの
サーモグラフィからは逃れられない。
「あいつかぁ! やりやがったな 上等だぜ!!」
バシュン! バシュン!バシュン!
俺は狙いをつけると伏せ撃ちから念のため3発を発射した。
「オラオラくらいやがれ! こっちは自動追尾弾だからな!」
俺の放った7.62mm弾は見事に敵狙撃手の頭と胸を打ち抜き
やつはばったりと倒れると動かなくなった。
ブシュン!
そして3発目は近くにいたスポッター/観測手を打倒した。
「見たか 無駄弾無し!!」
脳内のβエンドルフィンとかのおかげでもあるだろうし
このコンバットスーツが体内のモニター結果から
自動で止血などの効果をしてくれたようだ。
だから、俺はなんとか匍匐で前進を続けることができた。
もうちょっと あと少し・あと少しだ・・
俺は胸の痛みに耐えながら、泥の中を這って進み続けた
あと僅かで最適な射撃ポイントというところまできた。
その時だった! 突然に前方の地面が盛り上がると
ズザッーーー
キュピ~ン!! ギュオン!ギュオォン!
漠々とした砂煙の中から巨大な戦闘ロボットが現れたんだ!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます