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私はいま電車に乗っている。
黄昏色に染まる薄暗い車内に、私以外の乗客は誰もいない。
ただ電車がレールの上を走る音と振動だけが
車内に響き渡っている。
それ以外の音はまるでなく、
その振動と音が、座席と耳を通して身体の中に入ってきて、心地好いとすら思える。
今までに駅はあったがその駅に名前は無く
人一人すら姿が見えなかった。
それ以前に電車は駅には停まらず、まるで
そこに駅が無いものとして扱っているか
のように過ぎていく。
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