47. 手のひらで転がされる北斗くん

「みぃ、起きれる?」


「ん、おはよう。」


「おはよう。身体痛くない?」


「…痛い。えっ、痛い!!めちゃくちゃ痛い!!!」


「えっ、えっ、大丈夫?どこが痛い?」


「腰。痛いんだけど。」


朝起きたら、腰がすごく痛かった…。


「…すみません。」


「ほくのせいだ。」


「その通りです…。」


「北斗くん、しばらくえっち禁止しようね?」


「えっ、」


「何?」


「それは無理。」


「無理じゃない。みぃだけ痛いんだからね?2回シたいって言ったのはほくなのに。」


「しばらくっていつまで?」


「んー、テスト終わるまで?」


「は?あと1週間あるじゃん!!」


「そうだね。」


「無理!!普通に無理!」


「我慢して。この前みぃが生理だった時我慢できたじゃん。」


「それはさ、まだヤりはじめて少ししか経ってなかったから。でも今はほぼ毎日ヤってんじゃん!」


「まぁ、確かに。」


1週間くらい我慢して…。


「てか、みぃもうすぐ生理?」


「あ、そうかも。ちょうどいいね。」


「あぁ、どうしよう…。」


「みぃとえっちできなくてもみぃのこと好きなんでしょ?」


「もちろん。だけど、ヤりたい気持ちは心の中にある。」


「我慢して。」


「生理来る前にえっちさせて。お願い。」


「1日1回ね。」


「はい。」


男の子ってすごい…。


「いってきまーす!」


「いってらっしゃい!」


支度を済ませて学校へ向かう。


「なんか、いつも以上に見られてる気がする…。」


いつもほくの隣を歩くと視線がすごいけど、今日はいつも以上。付き合ってること広まってしまったのかな。


「うわぁ。美男美女カップルだ。」


「幼なじみらしいよ。」


「羨ましい…。」


急いで教室に向かった。


「美蘭、おはよ!」


「結衣、おはよ…。」


「美蘭たちのことすごい噂になってるみたい。」


「そっか…。時間が経って落ち着くのを待つしかないよね…。」


「そうだね…。何かされたら本当に言ってね!!!」


「言います!笑」


もう時間が経つのを待つしかない…。


「美蘭!ご飯食べよー!」


「うん!食べよ!」


4限が終わり屋上へ向かう。


「はぁ。疲れた。」


「美蘭めっちゃ疲れてるじゃん。笑 運動不足?」


「…かも。」


「ごめん。俺のせいだわ…。」


「えっ、そうなの?」


「ちょっと、ほく。言わなくていいから。」


「北斗、美蘭になんかしたのか?笑」


「ただ単にヤりすぎた…。」


「ねぇ!!ほく怒るよ?」


「はい、すみません。」


「そういうことか。笑」


「お前、美蘭に優しくしろよ。」


「俺、死ぬほど優しいからね?」


「ほく黙って。」


「はい。すみません。」


もう。2人の前で言わないでよ…。


「はぁ、腰痛い…。」


「北斗、マッサージしてあげなさいよ。美蘭だけ痛がって可哀想でしょ。」


「はい…。」


ほくが水泳で使うバスタオルを床に敷いて、その上でマッサージをされる。


「気持ちいい。寝そう。」


「じゃあ、このまま水泳の授業休んじゃおうか。」


「無理。」


「いいじゃん。腰、もっと痛くなっちゃうかもよ?」


「誰のせいだと思ってるの?」


「僕です…。」


「ほく、今日一日言うこと全部聞いてもらうから。」


「はい。聞きます。」


「北斗、尻に敷かれすぎでしょ。笑」


「美蘭がドSに…。笑」


今日はとことん言うこと聞いてもらおう。


「美蘭、そろそろ着替えに行こ!」


「うん!行こ!」


ご飯を食べ終わり、着替えをするため屋上から出る。


「美蘭、終わったら空き教室きてね。」


「はいはい。」


授業が終わったら、ほくに髪の毛結んでもらおう。


「つめたっ!」


「めちゃくちゃ冷たいね。」


授業が始まり、プールに入るとすごく冷たかった…。早く泳ぎ終わって早く出よう。


「泳ぎ終わった人から着替えて教室戻っていいぞー。」


結衣と2人で急いで泳ぐ。


「疲れた…。」


「美蘭、相変わらず速いね。着いていくのに必死だった。笑」


「もう、寒すぎて早く出たくて。笑」


なんとか泳ぎ終わって、すぐに着替える。


「次、数学だよね。」


「美蘭、絶対寝る…。」


「私も。てか、腰大丈夫?」


「水の中入ってる時は大丈夫だったけど、今めちゃくちゃ痛い…。」


「もう北斗、後でしばこう。笑」


「そうだね。笑」


「美蘭、結構えっちするの?」


「昨日は、ほくが2回シたいって言って…。」


「北斗、性欲強いんじゃない?笑」


「そうなのかもしれない…。笑」


「もう、避妊してよね!」


「してます、してます。結衣もしてね。笑」


「してます!笑」


「そろそろ行こっか。笑」


「うん。笑」


着替えが終わり、空き教室へ向かう。結衣が心配して、空き教室まで送ってくれた。


「ほく、お待たせ。待った?」


「俺もさっき来たとこ。」


「よかった。」


「腰痛い?」


「痛い。」


「ごめん。笑」


「もう…。」


ほくが先に空き教室に着いてたみたい。


「みぃ、おいで。髪の毛やってあげる。」


「うん。ありがとう。」


ほくに髪の毛をやってもらう。


「ほく、寝そう。」


「起きて。まだもう1限あるよ。」


髪の毛を梳かされるのが気持ちよくて寝ちゃいそう。


「できたよ。」


「…ん。」


「もう寝そうじゃん。笑」


「ほく抱っこ。」


「はいはい。」


ほくに床に座ったまま抱っこしてもらう。


「ほく、」


「ん?」


「今日、放課後カフェでケーキ食べたい。」


「勉強は?」


「ケーキ食べる。行こ?」


「テスト終わったらね。」


「今日だよ。ほくいうこと聞くんでしょ?」


「うわ。忘れてた。」


「やったー!行こうね。」


「はいはい。」


放課後カフェに行く約束をした。あと1限頑張れそう。


「みぃ、起きて。」


「ん。」


「教室戻ろ。」


「んー。」


「はい、立って。」


「腰痛いから無理。」


「それはずるい。俺、強く言えないじゃん。笑」


「数学嫌だ。ここにいたら、ほくとずっとイチャイチャできる。」


「それいいね。」


「でしょ?」


「でも、2人でサボったらヤってると思われるよ?」


「行きます…。」


「ん、いい子だねみぃちゃん。」


教室に向かう。その間も他の生徒からの視線が…。


「ほく、めちゃくちゃ見られてる気がする…。」


「美蘭は俺のものなのに…。あ、手繋ぐ?」


「やだ。もっと噂される。」


「えぇ。俺繋ぎたかったのに。」


「やだ。」


「美蘭ちゃんツンデレ?本当は繋ぎたい?」


「繋ぎたくないから。もううるさい。笑」


「うるさくないでしょ。笑 他の奴に聞こえないように小さな声で話してるんだから。」


「はいはい。」


「ねぇ、美蘭、冷たい!」


「そー?好きだよ。」


「...えっ、急に何?お持ち帰りしていい?」


「ほく、顔赤いね!!かわいいー!」


そう言ってほくから逃げるようにして教室に入る。


「美蘭ちゃんどうしたの!?笑 めっちゃ走って教室入ってきたじゃん。笑」


「なんでもないよ。笑 チャイムなっちゃうかと思って。笑」


「間に合ってよかったね。笑」


「うん!」


走って教室に入ったから、亮太くんがすごくびっくりしてた。


「あ、ほく」


少ししてほくが教室に入ってきた。


「美蘭ちゃん…。」


「なに。」


「俺、手のひらで転がされてる…?」


「えー、そうなの?大丈夫?」


「俺、童貞なのかな…。」


私の席の横でうずくまってる。


「授業始まるよ。席戻って。」


「はい…。」


ほくに頭を撫でられる。

みんな見てるのに。仕返しされた。顔が熱い…。


「はい、授業終わります。」


『ありがとうございました。』


全然頭に入ってこなかった…。


「美蘭、帰ろ。」


「うん。」


ホームルームも終わり、ほくと教室を出る。


「ほく!カフェ行こ!!」


「はいはい。」


学校の近くのカフェに行く。


「ほく、今日勉強しなくていいよね?」


「いや、するよ?」


「やだ。もう帰って寝る。」


「いや、勉強してから寝ようよ。」


「腰痛くて無理。」


「…明日からマジで勉強するからね?」


「うん!やったー!!」


ケーキを食べ終わり、カフェを出る。


「美味しかった!ほく着いてきてくれてありがとう。」


「うん。食べてるみぃ可愛すぎたからいいよ。」


「太るかな?みぃ、太った?」


「太ってないよ。」


「よかった。」


最近食べすぎてる気がする…。


「ただいまー!」


「お帰り!」


ほくの家に帰る。疲れた…。


「みぃ、こっち来て。」


ベッドの上にいるほくに呼ばれる。


「んー、ちょっと待って。」


「今きて。」


「待って。今返信してる。」


「ねぇ、遅い。」


待ちくたびれたほくに後ろからハグされる。


「男じゃん。」


「ん、ごめん。もう返し終わった。」


「ねぇ、男じゃん。」


「うん。」


「男と話さないでよ。」


「でも、メッセージ来ちゃう。」


「無視してよ。」


「えぇ。無視はできないよ。」


「俺よりメッセージ優先しないでよ。」


「それはごめん。」


さっきより、強くハグされる。


「ねぇ、嫉妬する。」


「ごめん。」


「俺、女の子と話してない。」


「うん。」


「美蘭も話さないでよ。」


「ごめんごめん。」


「ねぇ!軽い!!」


「ごめん。笑」


「なんで笑うの!」


「嫉妬してるほくが可愛くて。笑」


「可愛くないから。」


「ん、おいで。」


ほくの方を向き、手を広げる。

ぎゅーして私の胸に顔を埋めている…。笑


「はぁ、俺やっぱ手のひらで転がされてる…。」


「可愛い。」


「俺、真剣なんですけど。男としゃべるのやめれる?」


「うーん、SNSはものすごい量くるからもう辞めようかな。」


「いいね!!やめよう!!」


「他人事だと思って。」


「ごめんごめん。みぃ、ありがとう!」


「はいはい。」


ぎゅーしてくるほくが可愛い。


「俺、嫉妬しすぎ?」


「そう?」


「みぃのこと好きすぎて嫉妬する。」


「可愛いからいいよ。」


「嬉しくない。」


「北斗くん可愛い。おっぱい好きなの?」


「うん。」


「即答。笑」


「マジでふわふわして気持ちいい。ここで寝たい。」


「寝る?」


「え、いいの!!」


「うん。なんか、嫉妬してて可哀想だし。」


「俺、同情されてる?笑」


「うん。後で起こしてあげる。」


「俺赤ちゃんみたいじゃん。」


「赤ちゃん。笑」


「ねぇ、勃ってきた。えっちしたいんだけど。」


「それは無理。腰痛い。」


「ですよね、すみません…。」


「今日は我慢して。」


「はい…。」


ほくの背中をとんとんしてあげると、少し眠そうにする。


「ほく、眠くなってきたね。」


「…うん。」


「いいよ寝て。」


「…うん。」


少しすると本当に寝ちゃった。気持ちよさそうに寝てる。


今思ったんだけど、この体制キツい!!腰もっと痛くなりそう…。


ほくに全体重かけられてる気がする。


「ほく、起きて。」


「んー、」


30分くらい耐えた…。


「みぃ、おはよぉ」


「ん、おはよ。寝れた?」


「うん。今何時?」


「18時半だよ。ご飯食べる?」


「食べる。」


「じゃあ、持ってくるね。」


「うん。みぃありがとう。」


立ち上がると腰がさっきよりも痛く感じる。


「麻美ちゃん、ご飯ほくの部屋で食べるね。」


「はーい。これ持って行ってー。」


「ありがとうー!」


ご飯を持ってほくの部屋に戻る。


「おまたせ。」


「ありがとう。」


ほくは、ベッドの上で携帯を触っていた。


「みぃ好きだよ。」


「ねぇくすぐったい。笑」


後ろからハグしながら、顔をすりすりしてくるから、くすぐったい。


「みぃ、食べさせて。」


「自分で食べてよ。」


「俺、嫉妬で傷ついてる。」


「もう分かったよ。」


うるうるした目でこっち見られたらなんでもしてあげたくなっちゃう。


「はい、あーん。」


「ん。」


「おいしい?」


「おいしい。」


犬みたい。可愛い。


「はい、食べて。」


「ん。」


「ほく、可愛い。」


「かっこいいがいい。」


「かっこいいよ。」


「やったぁ。」


そう言ってぎゅーしてくる。


『ごちそうさまでした。』


「俺、1階にお皿戻してくる!」


「ありがとう。」


ご飯を食べ終わり、ベッドに寝転ぶ。


「ただいまー!」


「ほく、ありがとう。」


「うん。ご褒美は?」


「ん、いい子いい子。」


頭を撫でるとやっぱり嬉しそう。犬だ。


「ほく、重い。」


「へへっ。」


寝転がってる私の上に馬乗りして抱きついてくる。重い。


「みぃ可愛い。結婚しよ。」


「はいはい。」


「早く歳とって。」


「はいはい。」


「ねぇ、冗談だと思ってるでしょ。」


「思ってないよ。笑」


ほくにキスされる。


「可愛い。」


「ほく当たってる。」


「…ごめん。」


「今日は無理だからね?」


「…はい。」


「腰痛い。」


「マッサージします。」


ほくにマッサージしてもらう。


「みぃ、どう?」


「気持ちよかった。だいぶ良くなった。」


「よかった。」


「お風呂入ろ。」


「うん。行こっか。」


ほくとお風呂に入って寝る準備をする。


「みぃおやすみ。」


「おやすみ。」

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