43. 嫉妬する美蘭ちゃん
「美蘭、起きて」
「おはよお」
「ん、おはよ。身体痛くない?」
「うん、大丈夫。」
「よかった。ご飯食べよっか。」
「うんー。」
「どうした?」
「ほく、ぎゅーして。」
「ん、」
朝起きてほくにぎゅーしてもらう。
「みぃ、甘えただね。」
「んー。」
「可愛い。」
「眠い…。」
「昨日、疲れちゃった?激しくしすぎた?」
「ほくのせいだ。」
「ごめんごめん。笑」
「んー、眠いよー。学校行きたくない。」
ほくにぎゅーしてもらってるから余計に眠くなってきた。
「みぃー、そろそろ1階いくよー。」
「ほく、連れてって」
「はいはい。」
ほくに抱っこされたまま1階に行く。
「あれ、赤ちゃんがいる。」
「実紅さんおはよう。笑」
「北斗おはよう。笑」
「美蘭全然起きないから連れてきた。」
「もうー、美蘭早く起きてー!」
「起きてる…。」
「みぃ、降ろすよ。」
「無理。」
「もう、朝から北斗が疲れちゃうでしょ。」
「…はーい。」
仕方なく、椅子に座る。
「もう、早く食べちゃって。時間ないよー。」
『はーい』
急いで朝ごはんを食べて家を出る。
「いってらっしゃーい!」
『いってきます』
まだ、水曜日。学校頑張ろう。
「美蘭ちゃんおはよう。」
「あ、亮太くんおはよう。」
「めちゃくちゃ眠そうだね。笑」
「そうなの。眠すぎて朝、全然起きれなかった…。」
「そうなの?昨日、何かしてたの?」
「あ、えっと、勉強かな!」
「そうなんだ。すごいね!美蘭ちゃん、数学以外めっちゃ良いもんね。笑」
「数学は全然ダメだけどね…笑」
昨日のことを聞かれ、少しドキッとしてしまった。
「美蘭、先に屋上行ってて。」
「うん、分かった。」
昼休みになり結衣と先に屋上へ向かう。
「北斗は?」
「先行っててって言われた。」
「なにしてるんだろ?」
「購買に行ってるんじゃない?」
「あ、そうかもね。最近よく、先に行っててって言うよね。」
「そうだね。」
「あの先輩退学になったからって少し気が緩んでるよね!!全く。」
「そういうこと?笑」
「美蘭が危ない目にあったらどうすんのさ。」
「もう、大丈夫だって。笑」
嫌がらせをしてきた先輩は退学になった。正直安心した。
「あ、美蘭ミルクティー飲みたいから購買行ってこよっかな。」
「一緒に行こうか?」
「ほくが購買にいるはずだから大丈夫!」
「分かった。なんかあったらメッセージ送って。」
「大丈夫だよ。笑 ありがとう!」
結衣がすごく心配してくれている。
「あれ、ほくいない。」
購買に来たけど、ほくの姿が見えない。「ほく、今どこに居る?」とメッセージを送ってみる。
「これお願いします。」
「はーい、150円です。ありがとうございます。」
「ありがとうございます。」
先にミルクティーを買って、携帯を見てみると、「今、下駄箱にいる。先に屋上行ってて。」とほくからメッセージがきてた。
「下駄箱?近いじゃん。」
購買と下駄箱は近いから、下駄箱に行くことにした。
下駄箱に行くと…
「北斗くん、好きです。よかったら、付き合ってくれませんか?」
最悪のタイミング…。
「すみません。付き合えないです。」
「そっか…。」
「すみません。」
「ねぇ、北斗くんって誰とでもエッチしてくれるの?」
「は?」
「私の友達が、北斗くんと中学が同じ先輩から聞いたって。ねぇ、私ともしてくれない?」
「いや、無理です。」
「なんで?だって、誰とでもしてくれるんでしょ?」
「中学の時です。今はもうしてないです。」
「でも、今も彼女いないんでしょ。」
「いないです。」
「じゃあいいじゃん。」
どうしよう。やっぱり先屋上いこうかな…。
「無理です。俺、もう行きますね。」
「ちょっと、待ってよ!」
「美蘭…」
屋上へ行こうとするとほくに見つかってしまった。
「北斗くん、待って!」
「さようなら。」
ほくに手を引っ張られ、女の子から逃げる。
「みぃ、ごめん。」
「購買行ってるのかと思ってた。」
空き教室へ連れて来られた。
「ごめん。」
「よく、先行っててって言ってたのは、告白されてたからなの?」
「うん…。ごめん。」
「そうなんだ。」
嫉妬する。
「本当にごめんね。」
「付き合ってるって言ってないからしょうがないよね。」
「でも、俺も美蘭が告白されてたら嫉妬する。」
「嫉妬した。ほく、いつもエッチしよって言われるの?」
「まぁ、たまに。」
「やだ。しないで。」
「しないよ。」
「さっきの人可愛かった。」
「そうだっけ?」
ほくに告白する人はみんな可愛いんだろうな。
「もー!やだー!!!ほく、告白されないでよ。女の子と喋んないでよ。学校では声出さないでよ。」
「それは無理。美蘭と喋れなくなる。」
「もう、やだ。」
「美蘭しか見てないって言ったでしょ。」
「そうだけど。不安なんだもん。」
「えぇ。どうしたらいい?毎日エッチする?」
「そういうことじゃない。」
「えぇ。」
「ほく、美蘭のこと好き?」
「うん。大好き。」
「よかったぁ。美蘭もほく大好き。」
「可愛すぎるんだけど。食べていい?」
「だめ。」
ほくにほっぺを噛まれる。
「ねぇ!痛い!」
「うま!」
「ほく、気持ち悪い。」
「俺昼食ってないから、お腹すいたの。美蘭食べないと、死ぬ。」
「みぃもお腹すいた。」
「屋上行こっか。笑」
「うん。笑」
ほくにハグされて、おでこにキスされる。
「んー、可愛い。好きだよ。」
「はいはい。」
軽く流したけど、すごく嬉しい。
「もう!美蘭、メッセージ返してよ!心配したんだけど!」
「え!!ごめん!気づかなかった。」
「もう、何してたの?」
「ほくが告白されてた。」
「は!?購買行ったんじゃなかったの?」
「すみません。」
「じゃあ、毎回、告白されてたってこと?」
「そうです…。」
「モテすぎでしょ。」
「北斗ずりーぞ!!!!」
「すみません。」
屋上へ行くとほくが2人に怒られた。笑
「もうー、美蘭ちゃんごめんって。好きだよー!」
「面白すぎでしょ。笑」
「北斗明るくなったな。笑」
家でのほくがだんだん出てきてる。笑
「もう、分かったから早く食べよ。」
「はい。美蘭ちゃん可愛いね?」
「はいはい。」
やっとご飯が食べられる。お腹すいた。
「そろそろ教室戻ろー!」
「うん!あと2時間がんばろ…。」
お昼ご飯を食べ終わり、教室に戻る。
「美蘭、帰ろ。」
「うん!」
授業を受け終わり、ほくと帰る。
「はー、疲れた。」
自分の部屋に行き、部屋着に着替える。
「ほく、どうした?」
着替え終わると、ほくが後ろからぎゅーしてくる。
「美蘭ちゃんを不安にさせないようにぎゅーする。」
「ありがとう。」
「まだ不安?」
「もう不安じゃないよ。でも、ほくが告白されてたら嫉妬しちゃう…。」
「可愛い。」
「可愛くないもん。やだなの。告白されないでよ。」
「ごめんね。」
ほくが強くぎゅーしてくれる。
「ほくと付き合ってること言いたい。」
「俺はどっちでもいいよ。」
「でも、いじわるされそうで怖い。」
「まだ言うのやめとこっか。」
「うん…。」
言いたいけど、怖いなぁ。今は、特に何もないからこのままのほうがいいのかな。
「みぃ好きだよ。」
「うん。みぃも好き。」
「早く結婚したい。」
「えっ、」
「みぃとの子供欲しい。」
「気が早いよ。笑」
「やだ?」
「やだじゃない。」
「良かった。みぃ、顔真っ赤。」
「ほくのせいだもん。」
結婚とか子供とか言われて、顔赤くならない訳ない。すごくドキドキした。
「可愛い。早く結婚しよ。」
「もう、からかわないでよ。」
「あー、俺大学卒業まで待てないんだけど…。」
「きっとあっという間だよ。」
「そうかなぁ?」
「うん。」
将来のことを話してくれてすごく嬉しい。
「みぃ、ベッド行こ。」
「うん。」
ベッドでほくと一緒に寝転がる。ほくが腕枕をしてくれる。
「みぃ、ほっぺもちもち。」
「そう?」
「うん。気持ちいい。」
「ほくは、ちょっとだけもちもち。」
「ちょっとか。笑」
「うん。笑」
「みぃは、全身もちもち。」
「やだ、太ってるみたいじゃん。笑」
「痩せてるけど、もちもちふわふわしてる。」
「そうなの?笑」
「うん。俺、みぃの二の腕触るの好き。」
「よく触ってくるよね。」
「うん。おっぱい触れない時は二の腕で我慢してる。」
「…。」
「僕、高校1年生だから許して。」
「どういう言い訳?笑」
こうやってだらだら話してるのもすごく幸せだなぁ。
「あーもちもち。」
「もう、くすぐったい。」
「ちょっ、みぃ、やめて笑」
ほくをくすぐる。笑
「ねぇ、ほく、やめて!笑」
「ごめんなさいは?」
「…ごめんなさい。」
すぐにやり返される。
「ねぇ!ごめんなさいした!やめて!笑」
「え、そうだっけ?」
「ほく、くすぐったい!!!笑」
全然やめてくんない。
「ねぇ、恥ずかしいんだけど。」
「ごめんなさいは?」
ほくに両手首を掴まれ、頭の上に置かされる。
「ごめんなさい。」
「ん、」
ほくに軽くキスされる。
「もう、本当にくすぐったかった!!」
「ごめんごめん。笑」
やっと、解放してくれた…。
「ほく、ちゅーしていい?」
「いいけど、どうしたの?」
「さっきほくが軽いちゅーしかしてくれなかったから。」
「寂しかった?笑」
「違うもん。」
「俺に聞かなくてもいつでもしていいよ。」
「本当?」
「うん。いつでも。嬉しい。」
「じゃあ、ちゅーするね。」
「宣言するの?笑」
「うん!ちゅーしまーす!」
「はーい。お願いまーす!」
ほくに深いキスをする。
「きもち。」
「ふふ。できた。」
「もう、可愛すぎる。」
ほくにぎゅーされる。
「ほく、当たってる。」
「ごめん。笑 気持ちよくて。俺童貞かよ…。」
「エッチする?」
「いや、今日は我慢する。」
「珍しい。どうしたの?」
「エッチしすぎて、みぃに体目当てかと思わせたくない。」
「そんなこと思わないよ。」
「でも、少しでも不安にさせたくない。」
「そうなの?」
「うん。今日は我慢する。」
「分かった。ありがとう。」
ほくが彼氏で本当に良かった。
「みぃ、勉強する?」
「しなーい!」
「しようよ。することないじゃん。」
「みぃ勉強よりエッチしたい。」
「美蘭ちゃん?俺我慢してるんだからそんなこと言わないでよ。したくなるでしょ。」
「だって勉強したくないもん。」
「するよ。またくすぐってあげようか?」
「します。すみませんでした。」
「んー、いい子。」
ほくに脅されて勉強を開始する。
「ほく、夜中にさ、コンビニ行ってアイス食べてみたい。」
「俺と一緒に行くならいいよ。」
「じゃあ、今日行こうよ!」
「勉強頑張ったらね。」
「うん!頑張る。」
夜中に外出るなんて楽しそう!勉強頑張る。
「ねぇ、ママ夜中にコンビニ行ってアイス買ってくる!」
「どうしたの急に。笑」
「なんか、楽しそうでしょ?」
「確かに。北斗が一緒なら行ってきていいわよ。」
「うん、俺も北斗が一緒なら、いいぞー。俺のアイスも買ってきて。」
「あ、じゃあママも。」
「分かった!」
夜ご飯を食べ終わり、再び勉強を始める。
「終わったー!!ほくアイス!!!」
「はいはい。行こっか。」
「うん!」
「みぃ、待って。服着替えよっか。」
「え?なんで?」
「ズボン短過ぎ。」
「えぇ。誰にも会わないからいいよ。」
「ダメ。夜は変な人多いから。早く着替えて。」
「もう、分かったよ。」
「ん、ありがとう。」
短パンを着ていたので、長いズボンに履き替える。
「ほく、行こー!」
「うん。」
夜はまだ少し肌寒い。
「みぃ、寒くない?」
「ちょっと、寒いけど大丈夫。」
「そっか。」
当たり前のように手を繋いでくれる。
「ほく、楽しいね!」
「良かった。笑」
「ありがとう。着いてきてくれて。」
「うん。俺も楽しい。」
コンビニに着き、アイスを買う。
「ありがとうございました。」
『ありがとうございます』
パパとママの分も買えた。
「暗いから少し怖いね。」
「そう?」
「ほくお化け見える?」
「それ、昔の話ね。笑 今はいても見えない。」
「え!じゃあ、いるのかなぁ?」
「いるかもね?」
「ねぇ、怖いこと言わないでよ。」
「みぃから言ってきたんでしょ。笑」
「怖いほくぎゅーして。」
「ぎゅーしたら歩けないでしょ。笑」
「じゃあ、おんぶ?あ、でも背中が守られない…。やっぱ抱っこ?抱っこも背中ダメ?どうしよう…。」
「何言ってんの。笑」
「ほくどうしよう。怖くなってきた。」
「大丈夫だから。」
「怖い怖い怖い。」
「みぃ落ち着いて。どうしたい?一回コンビニ戻る?」
「怖い。」
止まったらもっと怖いのに、その場にうずくまってしまう。
「みぃ、音楽かけるよ。抱っこしてあげるから帰ろ。」
「背中怖い。」
「大丈夫。俺がずっと見ててあげるから。」
「走って帰るよ。」
「うん。ほく、絶対見ててね。」
「うん。」
ほくが抱っこしながら走って家に帰ってくれた。
「はぁ、」
「おかえりー!…どうしたの?」
「美蘭がお化けが怖くなって抱っこして帰ってきた。」
「もうー。北斗ありがとね。笑」
「うん。疲れた。笑」
「早くお風呂入って寝なさい。笑」
「はーい。」
家に着いた。怖かった。
「みぃお風呂行くよ。」
ほくに抱っこされたままお風呂に行く。
「みぃ、おろしていい?」
「…やだ。」
「怖かったね。」
「怖かった。」
しばらくの間ほくに抱っこしてもらった。
「ほく、ごめんね。」
「ん、なにが?」
「迷惑かけて。みぃからコンビニいきたいって言ったのに。」
「いや、1人で行かなくて良かったよ。次も出かけたい時は俺に言ってね。」
「うん。ありがとう。」
お風呂から出てベッドに行く。
「映像みる。」
「ん、ありがとう。」
いつものように映像を見る。
「ほく、どうしよう…。」
「見た?」
「…うん。」
「そっか。」
ほくが死んでしまう映像が見えた。
「ほく、やだ。死なないで。お願い。」
「大丈夫だよ。」
背中をさすってくれる。けど、不安で仕方ない。
「やだ。ほく、どうしよう。やだ。」
「大丈夫。大丈夫。今までも美蘭が守ってくれたでしょ?」
「美蘭、守れなかったらどうしよう。」
「守れるよ。大丈夫。」
付き合ってから初めてほくが死んでしまう映像を見た。怖くてたまらない。
「ほ…く…」
「ん、おやすみ。」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます