25. 中間テスト

「みぃ、ネクタイ結んで。」


「うん。」


「はい。」


「できた。」


「ん。ありがと。」


椅子に座っているほくのネクタイを結ぶと手を引っ張られ、軽いキスをされる。

そのままほくが立ち上がり、深いキスに…。


「ちょっと、ほく、遅れるから。」


「うん。」


「聞いてないでしょ。行くよ。」


あっという間に日が経ち、今日は中間テスト初日。


「いってきまーす!」


「いってらっしゃい!2人とも頑張ってね!」


「はーい。」


いつもより少し遅れて家を出る。


「俺、みぃとちゅーしないとテスト頑張れない…。」


「さっきしたじゃん。」


「したけどさ。俺はもっとしたかったの。」


「テスト終わったらね。」


「えぇ。明日もテストじゃん。」


「頑張ろうね。」


ほくは、テスト頑張れないって言ってるけど、結局いい点数取るんだろうな。明日、数学のテストがあるから今日もしっかり勉強しないとな…。


「美蘭、おはよー!」


「結衣、おはよう!テスト頑張ろ…。」


「うん。赤点にならなければいいや…。」


結局、テスト前に勉強会は開かれず各自で勉強することになった。結衣も私も数学大丈夫かな…。


「それでは、始めてください。」


今日は、国語と英語と社会の文系科目を受けた。文系科目は得意だから、問題なのは明日の数学。


「結衣、お疲れ様。どうだった??」


「うん、文系はなんとか赤点ではない気がする!」


「よかった!明日頑張ろうね。」


今日は3限で終わり、ご飯を食べずに帰宅する。


「みぃ、テストどうだった?」


「うん、大丈夫だと思う。」


「よかった。今日はずっと数学やろっか。笑」


「えぇ。みぃ寝たい。」


「ダメ。」


昨日はテスト勉強をしていて、寝るのがいつもより遅くなってしまったから、少し眠たい。


「ただいまー!」


「あれ、ママいない。」


「あ、今日昼いないって言ってたわ。」


「あ、そうなの?」


「昼ごはん作ろっか。何食べたい?」


「んー、チャーハン。」


「分かった。俺作るから勉強してていいよ。」


「えぇ。ほくが作るとこ見てる。」


「なにそれ。笑」


勉強はしたくないからとりあえずほくが作ってるところを見てる。


「できたよ。」


「ありがとう!いただきます。」


「はーい。」


「美味しい!」


「よかった。」


「ほくなんでもできるけど、苦手なことあるの?」


「俺、みぃのことになるとダメダメだよ。笑」


「そう?全然感じない。」


「うん。美蘭とキスするとめちゃくちゃドキドキするし、理性持たないし、でも、可愛すぎて手出せないし。笑」


「そうなんだ。 なんか嬉しい。笑」


ほくが私でドキドキしてくれてるのすごく嬉しいなぁ。


「みぃ、ほくとならエッチできるよ。」


「だーめ。ちょっと聞いただけでほとんど知らないでしょ。」


「いつならいいの?」


「んー。一年後くらい?笑」


「やだ。テスト終わったらがいい。」


「それはだめ。早すぎる。」


「えぇ。みぃほくとエッチした女の子に勝てない…。」


「まだダメだよ。」


「ほくはみぃとしたくないの?」


「そう言うことじゃないの。みぃを傷つけたくないだけ。それに、すごーく痛いかもしれないよ?」


「痛いの?」


「痛いと思うよ。」


「え…。」


「ほら、怖いでしょ。みぃが嫉妬するからじゃなくて、本当に俺としたいって思うまでしないよ。」


「うん…。」


「じゃあ、勉強しよっか。」


ほくは、みぃのことすごく考えてくれてるんだな。


「ほく、分かんない。」


「ここは…」


「あ、そういうことか。」


15時くらいまで勉強していると、だんだん眠くなってきた。


「ほく、眠い。」


「ちょっと寝よっか。」


「うん。」


眠すぎて、ベッドで少し仮眠をする。ほくも一緒に寝てくれるみたい。ぎゅーってされてるから安心してすぐ寝れそう。


「みぃ、起きて。」


「んー…。」


「勉強するよ。」


「やだ。まだ寝る。」


1時間くらい寝たけど、まだ眠いし勉強もしたくない。


「みぃ、おいで。」


「…うん。」


ほくにベッドの上でハグしてもらう。ほくは勉強して欲しいみたいだけど、寝ちゃいそう…。


「みぃ、じゃああと30分だけ寝たら、やろっか。」


「うん。ほく勉強してていいよ?」


「俺も寝るわ。」


「分かった。」


もう少しだけ寝ることに。ほく、優しい。


「ん…。あれ。」


少しして目が覚めてしまった。ほくは、まだ寝てるみたい。

ほくも少し疲れてるみたいだから寝かせてあげよう。邪魔しないように、ベッドから出ようとすると…


「ほく…?」


ほくに腕を掴まれる。


「ほく、起きたの?」


「…。」


返事はなかった。

手を離してくれないから、ベッドに戻りほくの横に寝転ぶと、ほくにぎゅっと抱きしめられる。


「ほく?」


「…ん。」


そのまま頭を撫でられる。ほくは多分寝てる。すごくドキドキする。


ピピピッ


アラームが鳴ってほくが起きる。


「…みぃ、起きてたの?」


「うん。目覚めちゃった。」


「じゃあ、勉強しよっか。」


「うん。」


また勉強を始めた。さっきまで、ほくにハグされてたから少し寂しい。


「みぃ、どうした?」


「テスト終わったらほくといっぱいぎゅーしたい。」


「うん。しよっか。今日だけ頑張れる?」


「うん…。」


「うん、偉い。」


夜ご飯までしっかり勉強できた。まだ分からないところはいっぱいあるけど、分かるところも増えてきた。


「2人とも、勉強大変そうだからご飯持ってきたよ。頑張ってね。」


「ママありがとう。」


「実紅さんありがとう。」


「うん。あんまり、遅くならないようにね。」


「はーい!」


ママが私の部屋までご飯を持ってきてくれた。お腹すいた。


「美味しそう!!」


「だね。食べよっか。」


「うん!いただきます。」


「いただきます。」


「みぃ、髪結ぼうか?」


「うん。ありがとう。」


ほくに髪を結んでもらう。付き合う前は、何も気にせずやってもらってたことでも、付き合ってるとすごくドキドキする。


「できた。」


「ありがとう。」


「みぃ、顔赤い。笑」


「ほくかっこいいからドキドキするんだもん。」


「そう?笑」


「うん。みぃにはもったいない。」


「そんな可愛い顔して何言ってんの。」


「えぇ。」


「可愛い。」


恥ずかしい。ほくいつもすごくストレートに言ってくれる。


「ねぇ、俺もう無理、ちゅーしていい?深いやつ。」


「え?どうしたの?」


「テストまで我慢するって思ってたけど、みぃの顔見たらしたくなった。」


「なにそれ。笑」


「したい。」


「ご飯食べ終わったらね。」


「俺もう食べ終わった。」


「ちょっと待って。」


すごくキラキラした目で、私が食べるのを待ってる…。笑


「みぃ早く。」


「待って。」


「もー、俺焦らされてる?」


「ふふ。」


「早く。」


「ちょっと、余計遅くなるよ。」


ほっぺに何回もキスしてくる。食べにくい。


「食べたよ。」


「遅い。」


やっとのことで食べ終わると、すぐにキスされる。


「ほく…」


「可愛い。」


「ん…。」


「好きだよ。」


「みぃ、も。」


テスト勉強しないといけないのに…。


「きゃっ」


床に押し倒される。そして、服の中に手が入ってくる。この前、初めて胸を触られた時以来だ。制服シワになっちゃう。


「顔真っ赤だね。」


「はずかしい…。」


「恥ずかしいね。」


ほくの手はお腹から胸に伸びていき、胸を触られる。


「ほく、やぁ。」


「やなの?」


ほくが触ってくれるのは嬉しくて、でも、恥ずかしくて。触られながら、キスもされるから、もうどうしたらいいか分からない。


「ほく。好き。」


「うん。俺も。」


僕の手は下に行き、太ももを触られる。その手がだんだん上に行き…


「ダメだ。もうやめる。俺の理性持たない。」


「ほく?」


「ごめん。嫌じゃなかった?」


「うん。嫌じゃないよ。」


「良かった。」


太ももで手は止まった。


「あぁ。俺今までヤりたいとか思わなかったのに。みぃを目の前にすると、理性がどっか行く。あー。みぃ、可愛い。」


「もう。笑」


1人で頭を抱えてるほくを抱き締める。

いつもはほくの方が背が高いのに、今日は私が膝立ちしてるから、ほくの顔が私の胸の下にある。可愛い。


「ほく、可愛い。」


腰の辺りでぎゅっとハグしてくるほく、甘えてるみたいで可愛い。


「ほく、どうしたの?」


「んー?」


「甘えん坊さんなの?」


「違う。」


「ふふ。」


無言でずっとぎゅーっと抱きしめてくれている。可愛い。いつもいっぱいほくに甘やかしてもらってるから、甘えてくれて嬉しい。


「ほくの髪の毛サラサラ。」


「そう?」


「うん。」


「ずっと触ってたい。」


「いいよ。」


ほくの頭を撫でると髪がすごくサラサラ。シャンプーとか使ってる物は同じなのに。


「そういえば、今日ずっと制服着替えてなかったね。」


「うん。」


「着替えよ。ほくも着替えるでしょ?」


「うん。」


「ねぇ、手離してくれないと着替えられない。」


着替えようとしてもほくがずっとハグしたままで着替えられない。


「俺が着替えさせてあげる。」


「自分で着替えられるよ。」


「いいから。」


ほくが着替えさせようとしてくる。

ワイシャツのボタンが一つずつ外されていく。恥ずかしい。


「ほく、恥ずかしいから早くして。」


「おー。」


ほくは笑ってるだけで全然早く終わらせてくれない。いじわる。


「はい、脱げたね。スウェットでいい?」


「うん。」


上下白のスウェットを着せてもらった。恥ずかしかった。


「もう。ほくいじわる。」


「恥ずかしかったの?」


「うん…。いじわる。」


「ごめんごめん。笑」


ほくは、さっきみたいに私に抱きつきながら、軽く謝ってくる。全然反省してない。


「ほく、着替えないの?」


「着替える。」


「着替えてないじゃん。」


「みぃ、着替えさせて。」


「えぇ。自分でやってよ。」


「俺、さっき着替えさせてあげたじゃん。」


「もう、分かったよ。」


緊張してボタンを外すだけでも手こずってしまう。

ほくはずっと私の顔を見つめてくる…。


「できた。」


「下は?」


「え?」


「下、制服のままなんだけど。」


「じ、じぶんでやって。」


「できないの?」


「で、できる。」


変なとこで負けず嫌いが出てしまった。

ほくのベルトに手をかけるけど、手が震えて上手くできない。


「はーやーく。」


「ちょっと待って。」


全然ベルト外せいない…。


「遅い。」


ほくが痺れを切らして、自分でベルトを外して着替えてしまった。


「美蘭ちゃんにはまだ早かったね。笑」


「人のベルトなんて外したことないもん。」


「そうだね。笑」


さっきまで甘えてきて可愛かったのに、今は全然可愛くない…。


「そろそろ勉強しよっか。」


「うん。」


2時間くらい勉強して今日は早めにベッドに入った。


「今日、ほくが寝てるところ久しぶりにみたなぁ。」


「そう?」


「うん。いつもみぃより遅く寝て、早く起きてるでしょ?」


「そうだね。」


「なんで?何かしてるの?」


「みぃがとんとんしないと寝てくれないから。笑 朝は、ただみぃが起きるのが遅いだけ。俺が起こさないと起きないでしょ。目覚ましかけてるのに。」


「とんとんしなくても寝れるもん。」


「嘘だろ。」


「今日とんとんしないで。」


「ダメ。明日テストだろ。」


「寝れるから大丈夫。とんとんしたら怒る。」


「分かったよ。30分たっても寝れてなかったらするから。笑」



全然寝れない…。いつもは、すぐ寝れるのに。


「ほく、起きてる?」


「起きてるよ。」


ほくも起きてるみたい。よかった。寝れないからほくに抱きつく。


「寝れそう?笑」


「寝れるもん。」


ほくに抱きついてもとんとんはしてくれない。


「ほく…」


「なあに」


「…とんとんして。」


「はいはい。おやすみ。」


「おやすみ。」

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