13. 夢の国

先輩に呼び出されてから、あっという間に数日経ち、今日は夢の国へ行く日。


ほくが心配して学校でずっと一緒にいてくれたおかげか、先輩に呼び出されることはなかった。


「美蘭!おはよー!服めちゃくちゃ可愛いね!!」


「ありがとうー!結衣もかわいい!!」


最寄り駅で結衣と寛太と待ち合わせをし、この前それぞれ買った服を見せ合う。結衣、すごく似合ってる。


「ついたー!!カチューシャ買いに行こうよ!」


「欲しい!行こ行こ!」


夢の国へ着き、カチューシャを買うことに。


「ほく、これどう?」


「可愛い。」


「これにしようかな!ほく、これ着けてみて。」


「どう?」


「似合ってる!これにしよ!」


「うん。」


ほくとペアのカチューシャを買った。結衣と寛太もペアのカチューシャを買ったみたい。


「よし、じゃあ最初何乗る??美蘭、絶叫系無理だよね?」


「…うん。」


「北斗と寛太は?」


「俺は行ける!」


「俺も。」


「じゃあ、絶叫系は、私と寛太で乗ろう。北斗は美蘭と一緒にいるでしょ?」


「うん。」


「最初はみんなで、軽い乗り物乗ろ!」


「みんな、ありがとう!」


私は、絶叫系の乗り物が苦手だから最初は軽い乗り物にしてくれるみたい。ありがとう。


「ねぇ、最初ゴーカート乗ろうよ!」


「いいね!楽しそう。」


「乗ろーぜ!」


最初はゴーカートになった。結衣と私、ほくと寛太で分かれて乗ることに。


「美蘭、フルスピードで行くよ!」


「結衣頼んだよ!行っちゃって!笑」


結衣の運転でゴーカートに乗ると、めちゃくちゃぶつかって危険運転だった。笑


「もう結衣、危なすぎる。笑」


「ごめん、ごめん。笑 でも、楽しかったでしょ?」


「まぁね。笑」


「あ!北斗と寛太運転してるよ!」


「本当だ。やっほー!!」


ほくと寛太に手を振る。でも2人とも運転に必死で気付いてない。笑


「おかえりー!」


「ただいまー!俺ちょー運転うまかったろ!」


「いや、マジで危なかった。俺、寛太に殺されるかと思ったわ。」


ほくめちゃくちゃ疲れ果ててる。笑


「次、どうする?」


「メリーゴーランドは?あれ乗りたい!」


「いいね!」


メリーゴーランド乗りたかった。全然怖くないし、クルクル回って楽しいんだよね。


「美蘭、どれ乗る?」


「これがいい!」


「分かった。おいで。」


メリーゴーランドに並び、順番が回ってきた。乗りたい馬を決めると、ほくが馬に乗せてベルトを締めてくれた。


「ほくは乗らないの?」


「うん。」


「なんで?せっかくだし乗りなよ!」


「いーの。美蘭落ちそうで怖いから。」


「落ちないから!笑」


ほくは、馬に乗らずにずっと隣にいてくれる。落ちそうって言われたけど、ベルトもしてるから落ちないのに。


「みぃ、こっち向いて。」


「ん?」


カシャッ。


ほくに写真を撮られる。


「かわいい。」


「ありがとう。」 


アトラクションが始まった。馬が動いてからもずっと隣で手を繋いで落ちないようにしてくれた。写真もいっぱい撮ってくれた。嬉しい。


「ほく、ありがとう。ごめんね、ほく乗れなくて。」


「みぃが楽しんでるの見てるだけで楽しいからいいの。」


「ふふ。笑 ありがとう。」


ほく、本当に優しい。少し、ドキドキした。


「そろそろ、お昼ご飯にしよ!あのレストラン入ろうよ!」


「いいね!入ろ!」


お昼になり、レストランへ入る。お腹すいた。


「わぁー!おいしいそう!食べよ食べよ!」


「うん!いただきます!」


注文した料理が来て食べ始める。


「楽しいね!思ったより混んでなかったし!」


「楽しいー!そうだよね!」


「午後からどうする?」


「結衣と寛太で絶叫系乗ってきなよ!」


「寛太、そうする?」


「いいよ、そーしよーぜ!」


結衣は寛太のことが気になっているからなんとか2人にすることに成功してよかった。ほくには申し訳ないけど…。結衣がんばって!


「よし、じゃあ15時にパレードあるから、その時にまた集合しよーぜ!」


「分かったー!後でねー!」


寛太と結衣と別れて、ほくと2人っきりになる。


「ほく、ごめんね。絶叫系乗りたかったよね。」


「いや、みぃといれるからいいよ。」


「ありがとう。」


ほく、本当にありがとう。結衣は寛太にしっかりアピールできるといいな。


「みぃ、何乗る?」


「んー。射的のやつ!」


「いいね。」


少し混んでるけど、射的のゲームに並ぶことにした。


「ほく、写真撮ろ!」


「うん。」


カシャッ。


「見せて。」


「う、うん。」


ほくが後ろから覗き込んでくる。今まで、こんなことよくあったのに、告白されてから、ほくの行動一つ一つ意識してしまう…。


「ほく、ポイント勝負しよ!」


「いいよ。」


順番が回ってきて、ほくとポイントを勝負することに。頑張ろう。



「ほく何点だった!?」


「1300」


「ええぇ。負けた。悔しい。」


ほくに負けた。悔しい。ほく、めちゃくちゃ上手だった。ほくも楽しんでるみたいで良かった。


「ほく、みぃトイレ行きたい。」


「ここで待ってるから行ってきな。」


「分かった。」


ほくに待っててもらい、トイレに行く。



「すみません。連絡先教えてもらえませんか?」


「すみません、無理です。」


トイレから戻ると、ほくが女の人に声をかけられていた。ほくのとこ行きにくいな…。


「SNSだけでも交換してもらえませんか?」


「無理です。あ、美蘭、おいで。」


ほくに見つかって呼ばれてしまった。気まずい…。私に気づくと女の人はどこかに行ってしまった。


「ほく、声かけられてたの?」


「うん。」


「連絡先交換したの?」


「してないよ。」


「そうなんだ。」


ほくはやっぱりモテる。でも、なんかモヤモヤする。今までこんなことなかったのに。


「みぃ、どうした?」


「ううん。なんでもないよ。」


「そっか。みぃ、アイス食べる?」


「え!食べたい!」


「買い行こっか。」


「うん!」


モヤモヤするけど、気にしないようにして、ほくとアイスを買う。


「美味しい。」


「美味しいね。みぃ、楽しい?」


「楽しい!」


「よかった。今度は2人で来たい。」


「いいよ。行こうね!」


「うん。みぃ、可愛い。俺のこと好き?」


「えっ。」


「え?どうした?」


「う、うん。好きだよ。」


ほくに好き?って聞かれて動揺してしまった。いつも好きって言ってるのに。どうしたんだろう。ほくは私が動揺してるから、少し驚いてた。


「ありがとう。俺も好き。俺は女の子として好きだけどね。笑」


「もうー。分かったから!」


ほくにストレートに好きと言われるからドキドキしてしまう。今日の私おかしい。


「みぃ、結衣と寛太のとこ行こっか。おいで。混んできたからはぐれないように手繋ご。」


「う、うん。」


ほくと手を繋ぎ、結衣と寛太のとこにいく。


「美蘭ー!やっほー!」


「結衣!絶叫系乗れた??」


「乗れたよ!美蘭は何乗ったの?」


「射的のゲーム!ほくがめちゃくちゃ上手かったの。」


「そうなの。笑 ほくとは上手そうだわ…笑」


結衣と寛太と集合する。2人ともアトラクション乗れたみたいで良かった。結衣は、寛太といっぱい話せたのかな??


「じゃあ、パレード見に行こう!」


「行こうー!!」


パレードを見て、夜ご飯を食べてあっという間に帰りの時間に。


「最後にお土産買って帰ろう!」


「うん!そうしよー!」


帰る前にお土産屋さんに寄る。


「ほく、このぬいぐるみ欲しい。」


「美蘭、部屋にぬいぐるみいっぱいいるからいらないでしょ。」


「でも、この子可愛い。」


お土産屋さんにいたくまのぬいぐるみが可愛すぎて家に持って帰りたい。でも、ほくに止められる…。


「美蘭、お菓子とか買っていったら?」


「ママたちにお菓子も買うけど、この子も欲しい。だめ?」


「分かったよ…。」


「やったぁー!ありがとう。」


「北斗、美蘭に甘すぎでしょ。」


結局、くまを持ち帰ることに。嬉しい。


「じゃあ、そろそろ帰ろっか!また遊ぼうね!」


「うん、みんなありがとう!ばいばーい!」


「じゃーなー!」


夢の国から最寄り駅に着き、結衣と寛太と解散する。めちゃくちゃ楽しかった。また行きたいなぁ。


「ほく、楽しかったね!」


「うん。また行こっか。」


「うん!行きたい!」


お家に帰り、ほくと部屋で休む。もう寝ちゃいそう。


「みぃ、起きれる?」


「無理。」


「お風呂行くよ。」


「行けない。」


「起きて。」


ほくに起こされるけど、眠すぎて、疲れすぎて動けない…。


「明日お風呂入る?」


「うん…。」


「じゃあ、服だけ着替えて。」


「ほくやって。」


「もう…。」


ほくが着替えさせてくれて、歯も磨いてくれた。もう、動けない。お風呂も映像をみるのも明日やろう。明日、休みでよかった…。


「みぃ、おやすみ。」


「ん…。おやすみ。」

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