第2話 まだまだプロローグ

正直、そんなに可愛くはなかった。



でも、私には“童貞を卒業する!”という確固たる信念があった。



はい、ここで出ますよ、クズ発言!



“よっぽどの女でなけりゃいいか。”



はい、声色を変えて~



“よっぽどの女でなけりゃいいか。”



女性の皆さんスイマセン!



若気のイタリアンという事で、何卒、ご勘弁を。



一応、ワンクッション置く為に居酒屋へ。



初めて出会った女性をホテルに誘う。



酒の力を借りなければ、とてもじゃないけど言えない。



ボクサー特有の腹の決め方で、開き直り酒をあおった。



向こうもその気だったのか、ノリもよくケラケラと、よく笑ってくれた。



1時間ほど飲み食いして、さらっと言ってみた。



「そろそろ、ホテル行く?な~んてね!」



軽いジャブで様子を見た。



「え~どうしよっかな~。」



お~っと、まんざらでもなさげな反応。



「よし!決まり!行こ!行こ!」



“機を見るに敏”



自分でも驚くほどのスムーズさ。



酒の力はスゴいものだ。



というより、え!会って、その日にホテルに!



デートを何回かして、キスして、そこからまた、デートを何回かして・・・



私のこれまで生きてきたアイデンティティーが、ガラガラと音をたてて崩れていく。



ド緊張のままホテルへ。



高校生の頃、夜遊びばかりしていたので、友人たちからは、女遊びのエキスパートと思われていた。



しかし、実はキスくらいしか経験のない童貞君。



友人たちから聞かれても答えられるよう、ホットドッグプレスなどの恋愛指南本を一生懸命読み漁る日々。



そのせいか、頭デッカチの恋愛エキスパートに。



そして、恥ずかしい話、早漏はカッコ悪いと思っていたので、オナ〇ーで鍛練していた。



それも、恋愛指南本に書いていた方法。



すぐイカず、イク寸前で止めるを何回も繰り返す。



すると、射精をコントロールできるようになるらしい。



そんな事を忠実に守り、来るべき決戦の日に備えていた。



そして、いよいよその成果を試す日が。



テクニックなんかも、やり方は熟知していた。



すると、これがハマるハマる。



お前はジゴロかっ!ってくらい、女の子をイカせまくった。



そして、挿入してからも、訓練の成果か、童貞のくせに1時間も持ってしまった。



その間も、女の子はイキまくり。



終わってから、私から告白。



「実は、俺、童貞やってん!」



女の子は、一瞬、驚いた顔をした。



しかし、「ハイハイ、そんなわけないじゃない!童貞君が、あんなテクと持続するわけないじゃない!」と、冗談だと思ったみたいだ。



私は、セックスってオモロいな~!って、そりゃ、あんだけイカしたらそうなるわなって。



その後、もう一度ヤりたくて、その子に連絡。



以下、同文。



サル状態の私は、もう一度シタくなって連絡。



すると、その子が自分の仕事先に来て欲しいと言ってきた。



私は、目の前に人参をぶら下げられた馬のように、シタいが為にその子の仕事先へ。



その子は、デパートの服売り場で働いていた。



「私の彼氏ね~ボクサーなのよ!」



私が行くと、同僚たちに、自慢気に話していた。



(え、ちょ、ちょ、俺、付き合ってないし・・)



でも、サル状態の私は、シタいがために愛想笑い。



その子とは結局、3回目で終わった。



そして、私のぶっこわれた倫理観は暴走する。



立て続けにテレクラで、5、6人の子と経験してしまう。



そして、桜子と出会う・・・。

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