にほんに架かる虹

コッピー

第1話 微かな記憶とリンクする現実

 僕は、夢を見ていた……

 大雨が止み、虹がかかってる青空を見ている僕と君の姿がそこにはあった……

 ある日の事だった。いつも通りの時間に起きていつもと変わらず朝食を食べ、学校に向かっていた僕は、早朝の大雨で水溜まりができている道路を歩いていた。水溜まりが多く歩きにくかったが、ひとつだけ、普段と違う事があった。大雨がやんで、青空が広がる空には、虹がかかっていた……更にその虹が太陽の光に反射して、水溜まりにうつり、まるで虹が2つあるように見えたのだ……

 そんな事もありながら、学校に着いて、いつも通り担任が、朝の連絡をクラスで行った。

 そして、朝の連絡の最後に、突然新入生の紹介があった。そして、可愛らしい新入生に興味を引かれていたのだが、少し違和感があった。

「あれ?あの顔、何処かで見覚えが……

 もしかして、夢に出てきた子にそっくり……

 いや、まさかな……

 はじめて見る子だぞ?

 夢に出てくる訳がない……」

 そう思っていると、彼女は微かにこちらを見つめ、クスッと笑った。

 それからというもの、新入生の彼女と僕は1日、学校内で話す事はなかったのだが、いつも通り帰ろうとしていると、突然、

 ねぇ、一緒に帰ろうよ。

 と、声が聞こえ、振り向くと彼女がいた……

 あまりにも急な出来事に驚き、僕は思わず、うんと言ってしまった。

 そして、2人で帰っていると突然、彼女は、

 ねぇ、君は、虹ってどう思う?

 と聞いてきた。

 その質問にどう答えていいのかわからず、黙っていると、彼女が、

「私はね、虹っていうのは、人間の感情を例にした物だと思うんだ〜

 人ってさ、悲しんだり、怒ったり、喜んだりするでしょ?

 その時って、よく、感情を色で表すでしょ?

 例えば、悲しくなったら青、逆にイライラしたら赤みたいにね〜

 そういった感情達の色が集まって人間ってできている……

 そう考えれば、虹と人の感情って似てるよね〜」

 と答えた……

 その発言に対して、瞬時に理解出来なかった僕は、そうだね!!としか言えなかった……




 

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