第17話 出発

 俺とアリーはだいたい1日かけて、掃除をし終わった。

 それから、ユリアさんとタギが待っている所に報告をしに行った。

「ユリアさん、掃除終わりました」

「ありがとう、今月はランとアリーが掃除してくれたから何時もよりか楽だったよ」

 そう言いつつ依頼完了の紙を渡された。

「えっ…と…何時もの掃除は誰がやってるんですか?」

「クエストを受ける人がいない時は、私かタギのどちらかか、余りにも汚なれがひどい時は一緒にやるの」

「え、それじゃ大変じゃないですか」

 ユリアさんが、溜め息をつきながら

「はぁ…そうなんだけど…」

「もう少し、値段を増やしてみれば」

 俺はそう思って提案してみたけど

「そのお金がこの町にないの」

「あぁ、だから朝に渡した水の符術があれば少しは楽になると…」

「そう、紙が破れるか文字が消えるまでしか使えないけど…」

 それでもユリアさんは嬉しそうな顔をしてた。


 その後ギルドに依頼完了の報告をして、お金を受け取って外に出たらユリアさんがいた。

「今からだと外は危ないから泊まっていきな」

 俺とアリーはその言葉に驚き

「で…でも昨日もお世話になってるのに…」

「だって掃除してくれて、此処を出発するのが遅れたでしょう?」

「いや、それは…俺が掃除をやってみたいから選んだだけで…それに1日かかると依頼書に書いてあったし…」

「それに今はまだ秋だけど、もうすぐ寒くなって来るから泊まった方がいいですよ」

 そう言われ

「それにアリーを野宿させるのは…」

「分かりました…」

 ユリアさんとタギは、俺達を説得出来たのが良かったのかホッとしていた。

 ユリアさん達の言葉には納得は出来ないけど、正論だったので今日も泊まることになった。


「ユリアさん、武器や防具を売ってる場所ってありますか?」

「冒険者ギルドで初心者用の武器、防具が置いてあるよ」

「ギルドに行って武器、防具を買ってきます」

 俺とアリーは自分に合った武器、防具を買った。

 明日の朝すぐに此処ここを出る予定だ。だから今のうちに出発の準備をしながらどこに行くか2人で話し合った。

 もう冒険者なので、この領だけではなく違う領にも行くのが楽になった。


「いろいろお世話になりました。ありがとうございます」

「また、ここら辺に来たら遊びに来てね」

「はい、また来ます。さようなら」


 









  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る