第15話 パーティー名

 俺がジル兄上の気持ちを受け止めている間に、ギルド長とステラさんは仕事に戻っていった。

 

「そ、そうだ!パーティー登録の名前はどうしようか…」

「あ!!忘れてた。何かあるかなぁ…?」

 俺の言葉でアリーが気づいた。2人で悩んでいると

「あの…2人に関係している、例えば名前とか…」

 タギがそんな言葉をアドバイスしてきた。

 ふたりに…か

「あ!でも…」

「ラン、何か思い付いたの?」

「俺達に関係あるのは、ユリアさんか『野薔薇』かな…と」

「うーん、そのまま使うのはどうかと思うのですが…」

「あ!名前を変えればいいんじゃ?…例えば『野薔薇』から『青薔薇』みたいに色を最初に持ってくるとか?」

「…あぁ、それもそうだな」

「じゃあ…他に何かあるかなぁ?」

「『白薔薇』『黄薔薇』ぐらいかな、思い付くのは…」

「と言うか、もうその3つのどれかにした方がいいと思います。あまり沢山だと選ぶのが大変なので…」 

 そう言われ、

「それもそうだな…」

「どれが私達に合ってるかなぁ…」

 アリーが呟き

「花言葉で決めるのはどうですか?」

 俺は不思議そうな顔で

「花言葉?」

「花言葉とは、花の意味を表す言葉です。青薔薇は奇跡、白薔薇は純愛、黄薔薇は絆です」

 と、タギが答えた。

「その中だったら、黄薔薇かなぁ。絆というのがいいと思う」

「そうだね、黄薔薇がいいかな」

 俺とアリーの意見が一致したので『黄薔薇』に決定した。

 その後、ステラさんにパーティー名を登録をして貰った。


 パーティー名の登録が終わりクエストの場所を聞いた。

「ステラさん、Fランクのクエストはどこにあるんですか?」

「クエストはあの壁に張ってあるよ」

 壁を見てみると、いろいろなランクのクエストが張ってあった。

「あの中から、Fランクのクエストを探せばいいんですか?」

「Fランクは右側の一番端っこにあるよ」

「教えてくれて、ありがとう」

 と、ステラさんに御礼をしてそこに向かった。


「いろんな種類がたくさんあるね。この中だと…うーん、どれにしよう…」

「ラン、あまり深く考えない方が良いよ」

「どうして?」

 俺は不思議に思い

「今日は町の中のクエストを選んだら?これなら自分でもできそうだ、やってみたいと思ったなら、それをやってみればいいから…」

「俺はこの中に有るのはやった事ないから…」

 アリーは、あっと気づいて

「だったら1回だけ、この町でクエストをしてみるのは?半日で終わる町の手伝いがいいと思う…」


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