6

 紗良は栄養失調で病院に運び込まれた。点滴の輸液が静かに落ちていく。沙良は目覚めた時に絶望するだろう。

 まだ生きている、と。

 そうして再び命を絶とうとするだろう。


 君のその選択を止めることができないのなら。

 君を救わせてくれないのなら。

 それならばいっそ、僕に君を殺させてくれ。


 完全に狂っている。そんなことはわかっている。でも、


 お願いだ。他の誰でもなく、僕に君を殺させてくれないか。


 鞄から包丁を取り出す。

 僕は紗良の胸に、包丁を突き刺した。

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