囚われの埃かぶり姫8

 途端、薬屋のお姉さんがその話に食いついた。

「まて、女の子だと……? どんな子だ? 髪色は、いくつぐらいの子だ?」

 急に前のめりになって質問を浴びせるお姉さんに、シンはたじろぎながらも答えた。

「え、うーん、黄色の髪した女の子だったべ。献上品のあの缶がたまたまベコベコにへこんじまって、それ見つけたらあの女の子、すごく水欲しがっただべよ。あげたらうーんと飲んでただ。お礼にオラたちに女魔術師が居る宝物庫の場所を教えてくれて、助かっただべ。確か、うーたん、って言ってただ。うーたんは、四つって言ってたべ」

 その言葉に、薬屋のお姉さんは急にカウンターに顔を突っ伏してしまった。

「え、ええ、お姉さん、どうしたの……?」

 急な様子にヨウサが慌てると、薬屋のお姉さんはしばらくして、大きく息を吸い込むようにして顔を上げた。

「良かった……! ウコン様、ご無事だったのか……!」

 その発言に、シンたち三人だけでなく、リタまでも目を白黒していた。

「ウコン様……って……え、えええ〜〜!?」

「も、もしかして〜……アーサガ王国の王女様って〜……?」

 困惑するヨウサとガイに、薬屋のお姉さんは大きく頷いてみせた。

「ああ、間違いない。献上品のあの水が大好きで、金の髪、年の頃は四つ。そんな子どもがお城にいるとしたら、可能性は一つしかない。お前たちが牢屋で出会った少女、あの方こそが、このアーサガ王国の王女様なのだ」

「えええ〜〜っ!?」

「あの……うーたんがだべか〜!?」

 驚きの事実に、シンも目を丸くするのだった。


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