第三章 渇水の町・トレバー編
三章の主な登場人物
◇ 二章のあらすじ ◇
ダンケルドに到着したヒース達一行。
その途中、この世界には「奴隷」という立場の人々が存在する事実を知る。
しかし同行するベンの話によると、この世界の奴隷システムは「困窮者を救うために作られた仕組み」だと言う。
そしてすぐ後、彼はニーヴとプリムという二人の奴隷の少女と出逢う。
熱を出して倒れていたニーヴを助け、交流を深めるヒース。
だが彼の心の中には、この世界に対する不信感が芽生え始めていた。
その後ひょんな事から知り合った農園主アーネストとの会話から、彼もまた奴隷システムに懐疑的な考えを持つと知る。
奴隷の解放に多額のお金がかかると知ったヒースは、アーネストに資金集めへの協力を申し出た。
それはこの世の理不尽に翻弄される、幼い二人の娘達のためでもあった。
ヒースは当初、二人の娘の主であるカルロに問題があると踏んでいたのだが、奴隷の管理者であるブレットから、カルロがとある魔術師に騙されたせいで今のような農場になってしまったという話を聞く。
そしてそれらを調べるうち、奴隷システムが困窮者の救済目的では無く、戦争捕虜を扱う為のシステムではないかという仮説に辿り着くのであった。
その後カルロ農場に出入りしていたマラスから、「王妃」という存在から狙われている事実を聞き出すヒース。
マラスもその王妃も、シンテザ教という魔神信奉者の一員であった。
マラスとの一戦を制したヒースはベァナ・メアラと協力し、従業員達の「縛呪の首輪」の解呪に成功する。
一連の問題が解決し、残るはニーヴとプリムの今後についてのみとなった。
待遇の良いアーネスト農場に移籍するか、それとも本来の姿に戻ったカルロ農場に残るか。二つの選択肢を与えられたニーヴとプリム。
だが彼女達が選んだのは全く別の選択だった。
それは、ヒース達に同行するという選択。
彼女達は互いに相談をした上で、自分たちに希望を与えてくれたヒースに恩を返したいと決めたのだ。
無一文のはずのヒースだったが、彼女達が自分の意志で決めた道を尊重するべく、自らが所持していた硬貨をニーヴとプリムの解放に充てた。
それらは転移後当初から持ち歩いていたものであり、元の世界に換算すると数百万円分相当の価値があるものだったのだ。
なぜ自分がそのような大金を持っていたのか。
なぜシンテザ教徒に追われているのか。
魔法協会とは、そして魔法とは何なのか。
様々な疑問への仮説を立てつつ、彼は仲間達と共にダンケルドを後にした。
◇ 三章の主な登場人物 ◇
ヒース 野外活動や古代の道具・兵器などの知識が豊富。自分がシンテザ教の信徒に追われている事実を知るが、自分が何者なのかは未だ不明。
ベァナ アラーニ村の村長の孫。精霊魔法を使えない自分に少なからずの劣等感を持つ。ヒースを助けるべく、故郷の村から一緒に旅立った。
ニーヴ 薄水色の髪を持つ元奴隷の少女。貴族家出身らしく、年齢に寄らず博識。自分を助けてくれたヒースに対し、強い尊敬と憧れの情を持つ。
プリム 薄桃色の髪を持つ元奴隷の少女。幼い頃からその立場にいたためか言葉遣いは
セレナ 豪商アーネストの次女。
マティウス トレバー領前領主でウェーバー家当主。現在は拘留中。
シアラ(シア) マティウスの娘。水魔法が得意。グリアン人のクォーター。
ロルフ 魔法協会トレバー支部長。マティウスの友人。性格は温厚。
ハンナ 協会職員。シアとメラニーの友人。職員にしては快活。
メラニー ハンナの友人。家業で果樹園を営んでいる。
タバサ トレバーの町に昔から住む、目の不自由な老婦人。
ヘイデン・ザウロー カークトン領及びダンケルド領領主。評判が非常に悪い。
ケビン・ザウロー ヘイデンの息子で仮領主代行。シアを妾にしようと目論む。
アレクシス カークトン領事務方筆頭。家族が軟禁状態にある。
ノーラ 女性魔法使い。傭兵だが、給金が良いため親衛隊に参加。
ラセル ノーラとの交戦中に加勢してくれた、謎の女性魔術師。
ゲルト 盗賊団に身を置く用心棒。耳が不自由だが、剣術に優れる。
ジェイド ザウロー家に手を貸す魔術師。奇術師のような風貌。
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