バカになる
シヨゥ
第1話
「人生は選択の連続なんて誰がが言った。その通りで毎分毎秒何かしらの選択をしている。選択の数だけ脳は決定を委ねられる。つまりは選択の数だけ脳は使われる。そうして酷使された脳はどうなるか」
「バカになる」
ぼくの発言に笑いが起こる。
「言い方は悪いがその通り。バカになるんだ。判断が段々とできなくなってくる。こうなった時、脳は極度の疲労状態になっていると言える。だから僕らは脳を休ませなければいけない。ではどうしたらいいか」
「バカになる」
また笑いが起こる。
「その通り。何も考えずバカになればいい。一番いい方法は目を閉じること。視覚が一番情報を受け取るからね。何にも気づかないバカを演じれば自然と休まるはずだ。それが出来ないようだったら選択を迫られたときに選択しないように答えのテンプレートを作っておくことをおすすめする。こう来たら絶対こうするみたいなね。まあ同じことしかしなかったら呆れられるかもしれないけどそれでいい。これをなんと言うかな?」
「バカの一つ覚え」
「そう! その通り。頭を休めるためにバカになりましょう」
ひどい公演だった。こんな公演に万雷の拍手を贈るぼくらはバカなのだろう。
バカになる シヨゥ @Shiyoxu
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