「なぁなぁ入道たちのあだ名って、なんなん？」

友人の一人、灯山　太助（あかりやま　たすけ）が突然聞いてくる。

「なんなんってなんなん？」

「どうしてそのあだ名になったかって事でしょ？」

もう一人の友人、花野原　美祢（けのはら　みね）が太助の言葉を訳してくれる。

――それは小学生の頃。

何がきっかけだったか忘れたけど、教室で入道とコロは喧嘩をしていた。

仲の良い二人が喧嘩をするなんて珍しい、とクラスメイト達は遠巻きながらその様子を眺めていると。

『――この頭でっかちの見上げ入道！』

『――うるさい！ちんちくりんのコロポックル！』

……当時『妖怪』ブームであった。

クラスメイト達もなんか二人にピッタリな呼び方だな、と思い以降二人をそう呼び始めた。

まあ次第に省略されて『入道』と『コロ』になったとさ。

「……ていうかさ、二人のその身長。そのあだ名のせいじゃね？」

太助の言葉に顔を見合わす入道とコロ。

「……コロのせいか」

「……入道のせいか」

またハモったせいで友人たちに揶揄（からか）われる二人であった。

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