あぁ。

本当に君は月のように綺麗だよ。

前は会えないかと思っていたけれど、

人類が月に到達できたように、

諦めなければ、いつか叶うんだね。

会ってからは、コロコロと変わる君の表情を見ているだけで、僕も嬉しくなったんだ。

そう。月の満ち欠けを楽しむみんなのようにね。

本当に君は綺麗だよ。

時にはテレビに出るような女優も背景になるようなほどにね。

それにしても、君って本当に肌が白いんだね。驚いたよ。

大丈夫かなって心配になるほどに。

でも杞憂だった。

君と出会ってからは本当に幸せだったよ。


男は棺桶の前でそう言うと、

手にしていたカッターナイフで、

手首を切った。

そこから溢れ出る血で辺りは赤く染め上がった。


「これで、おんなじところにいけるよ......」

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