7ー⑤
芹佳に言われるがまま、英雄達はMMSドックの外へ出た。すると……
「あ、あれは……?」
ユリーナが東の空を見ると、見慣れた青い飛行船がこちらへと飛行してくる。
「ドラガォン!香山の格納庫で待機しているはずですわ!というか、誰が乗っていますの!?」
そして、西の方角からは大きな足音。
「ライゲル!ライゲルじゃないか!!」
南の空からもジェット音が響く。
「今度はケツァールでござる!!」
駿河湾で待機する香山の中にあるはずの3機は英雄達の近くに着陸すると、まずはドラガォンのコクピットが開き、中のパイロットが姿を現す。
「蒼竜のメサイア、ヒーロ・ライマン参上!!」
金色の髪に長く尖った耳の英雄によく似た男はエメラルドグリーンの甲冑を纏い、マントを靡かせた騎士であり、
「お父様!!」
ユリーナの父だ。続いて、ライゲルの背中にあるキューポラが開く。
「白獣のメサイア、インション・ライマン、推参!!」
銀色の髪をした、体の至る箇所が機械の英雄が現れた。
「父さん!」
その男はシアの父である。そして、ケツァールのコクピットハッチが開く。
「紅禽のメサイア、
英雄と同じ前髪の形をした、和服姿の人型をした犬だった。
「父上!!」
それはえつ子の父である。3人のメサイア達は、呼吸を合わせると一斉に跳び、着地する。
「お父様ー!」
「父さーん!」
「父上ー!」
それぞれの父に抱き着くユリーナ、シア、えつ子。
「ユリーナ、わたしがアラパイムを守れなかったばかりに……すまなかった」
「僕がいなくても、シア達は立派に戦ってくれたみたいだね」
「
「ヒーロ、インション、ギェロイ……みんな初めて会うはずなのにずっと昔から知ってるみたいな感覚だ……芹佳達もこんな感じでお互いを認識してるのか」
英雄が平行宇宙の自分に会うのはヘイト・ライマンとの邂逅に続き二度目である。
「ウチがこの世界に戻った時、幻舞と一緒にみんなのお父さん達を死ぬる前に助けに行ったんよ」
セリカは胸を張る。
「私たちが死んだ後の事はセリカから話は聞きました」
と、ヒーロ。
「まさかエゲツナー帝国にもメサイアがいて、しかも僕たちを殺し、いろんな世界を侵略していたなんて……考えもしなかった」
続いてインション。
「ヘイト・ライマン……あやつは野放しにしてはおけん!!同じメサイアである某たちがあやつを始末せねばなるまい!!」
ギェロイは牙を剥き出しにする。
「ああ。だからみんな、力を貸してくれ。異世界の俺がやった事は俺たちでケジメを付けようぜ!!」
「応ッッ!!!」
英雄が拳を突き出したのを皮切りに、4人のメサイア達は拳を突き合わせた。
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