【雑談?】 浮世鴉洋菓子を食べたりする+おまけもあるよ【妖ぷろ】

鴉様こんばんはー。

私はショタ爺にお姉ちゃんと呼ばれないと爆散する呪いを持ってしまってるのですが  

「お姉ちゃんなんで働かないの?」と罵ってくれませんか?

そうしたら私の呪いも解けると、公園で黄昏れた老人が言ってたのです。 

どうか私の呪いを解くのと欲望の為に、罵ってくださいお願いします!


 このマカロンは本来なら読む予定のなかったモノで、リストから弾いたモノだった。

 なのに、俺が今日読む予定のリストに紛れ込んでいたので仕方なく拾ったのだが、


「…………なんじゃこのマロ、呪物か?」


 読んで改めて感じるナニカの圧にそんな一言を溢してしまったのだ。


[呪物は草]

[わんちゃん怪異]

[お願いします!]

[本人か?]

[怪異降臨]


「これ、リストから弾いたのに何故か紛れこんでいたのじゃ。怖いからやるが、どうしてなのだろうな……ン゛ン゛――「お姉ちゃんなんで働かないの?」」


 今何してるんだろうかと少し悟を開きそうになりながらも、やりきった儂はコメント欄に目を通す。これで成仏すればいいなと、なんか変な思考になってしまうのはきっと仕方ないだろう。


[これで成仏ありがとうございます!]

[ちゃんと成仏するんだぞ……]

[こうしてこの世から怪異が祓われたと]

[おかしい人を亡くした]

[源鶫:僕にもなんか言ってくれませんか?]

[つぐみんじゃん]


 成仏したのを確認すれば、次に目に入ったのは盟友の名前。

 あと一時間で配信だというのに、この鵺は何故こんな所にいるのだろうか? 突如現れた盟友に少し戸惑いながらも、コメント欄的に何か言わないとまずいので、頭を回転させながら言葉を選ぶ。


「鶫……主は配信があるじゃろう? 今日はせっかくのゲーム配信をやるのじゃから、準備を怠らず、ちゃんと視聴者を楽しませるのじゃ、応援しとるぞ」


 コメントだけでは何が望まれているかは分からないが、とりあえず無難そうなその言葉を選んでみた。さっきの望まれた罵倒は、あのマカロンという下地があったから出来たこと、こういう流れになった場合もある程度は許されるかもしれないが、今のように言葉をちゃんと選ばなければならないというのは色んなVTuberを見た上での儂の持論なのだが、結構これは大事だろうな。


[源鶫:ママ?]

[追加属性ママ]

[即堕ち系有能ポンコツ儂ショタ+ママ]

[閃きすぎる?]

[雪椿:解釈一致、捗るね]

[源鶫:母上様、盟友をどうか僕のママに]


 掲示板でチラッと見た程度だが、儂に付けられた属性なんか増えておらぬか?

 しかも現在進行形で新しい属性が付けられたし……何でじゃろうな、想定していた属性今は有能しかカスっておらぬぞ?

 最初VTuberになった儂は、演技が上手いなんでも出来る有能鴉という感じの名をネットに轟かせようとしていたのに、今では性癖の宝物殿とはな……世の中不思議じゃ。

 そう思いながらも、それから約三十分ほどの間届いたマカロンを処理しながら、雑談を盛り上げ続ける。そしてあと二つほどで用意していたマカロンがなくなるといった時、儂は一回話題を変えることにした。


「そういえば、明日三期生の仲間達でコラボがあるのじゃ……本当は、もうちょっと早く伝える予定だったのじゃが、今の今まで忘れててのう、すまぬな」

 

[そうなんだ見ないと]

[忘れず伝えただけで偉い]

[流石有能]

[まだ今日はやらかさないね、風邪でも引いた?]

[グギが、ガガが……ギ、三期生、コラボ?]

[なんかバグってる人いない?]


 忘れたと言うがそれは嘘だ。

 ある程度時間を潰してから、そのあと出来るだけ人を集め一番頭に入りそうなタイミングでその話題を入れさえすれば、少なくとも記憶には残るだろうという思考からなる嘘。

 最初にこの告知をしても、マカロンを消化しているうちに記憶から薄れるかもしれない。せっかくの三期生の初コラボを視聴者の記憶に少しでも残すため、こういう努力は欠かしちゃいけないのだ。


「であと……残ってるマカロンは、好きな食べ物はなんですかじゃな!」


 あとこれは不思議なのだが、なんかいくつかのマカロンに使っているシャンプーはなんですか等の質問が来ていたのだが、あれは何だったのじゃろう。それに回答してる時に「あっ」みたいな何かを察するようなコメントで溢れていてかなり気になるのに、結構考えてみても理由分からなかったんじゃよな。


「好きな食べ物……一番は寿司じゃな、だけど焼肉も好きじゃぞ? 肉も魚もどっちも美味しいし、何より満たされるからな! あ、甘味などだと大福とかの和菓子系じゃ。ところでこし餡は最強の存在だとおもうのじゃが、みんなはどっち派じゃ?」



[戦争を始めよう]

[よろしいならばクリークだ]

[なんだぁてめぇ]

[過激派の粒あん勢が沸いてきたな]

[グギが、ガガが……ギ、センソウダ]

[やっぱりなんかバグってる人いない?]



「ん? 儂とやるのか? よいぞ、存分に死合おうではないか……じゃがその前に開戦の前の音楽じゃな、マカロンも食した事だし、今から食後の運動といこうかのう!」


 事務所の先輩ライバーに少し前にメッセージで聞いた機材は事前に揃えてある。

 事前動作もバッチリで、これならきっと問題はなし。


「という事でこれから始まるのは、儂こと浮世鴉の生三味線演奏じゃ、こんな時間だからこそマヨイビトの眠気を吹っ飛ばすような、熱いモノを聞かせてやるぞ!」


 毎度の如くヘリを爆破or墜落させる会社のモンスターを狩る系のゲーム。 

 その中でも一番気に入っている、忍者モチーフのモンスターのBGMの三味線アレンジ。

 何が何でも最初の演奏ライブでやりたかったこの曲。


「さぁさぁ、マヨイビトの皆々様よ。他の音など聞こえぬほどに迅竜の音色に酔いしれるがよい!」 


 ベベンと弦を鳴らし、一瞬間を空け演奏スタート。

 何よりも視聴者である観客を楽しませるために、儂は今日も自分の技術を惜しみなく使い、今日の雑談枠を終わらせた。


「明日のコラボの通知もしたし、明日の朝には仲間達でやる予定の鉄道ゲームも揃う……よし完璧だな」


 配信モードの俺を止めて、ゆっくりする為に普段の口調へと自分を戻す。

 明日はちょっと前に発売した双六鉄道ゲームをやる予定で、細かい告知などは七尾と盟友がこの後の配信でやってくれるので、そこは気負わなくて良いだろう。


「……そういえば、双六ゲームなのは分かるがルールをよく知らないな。それにちょっと特殊なルールでやるって糀が言ってたような……まあでもあいつの事だし、鬼畜なルールとかは用意しないよな」



 

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