神域と呼ばれる森の守り人一族の最後の一人である私は一緒に暮らしていたおじいちゃんが逝ってしまったのを機にこんな誰も住んでいないクソ田舎を脱出して都会で生活するんだと夢見ていたけれど現実は上手く行かない
1-35 都会女の過去の話を聞いたら上京する心がちょっと揺らぐ
1-35 都会女の過去の話を聞いたら上京する心がちょっと揺らぐ
それは少し長い話だった。
ゴーレムについての造魔式を研究していたアーシア=クーロッドが、そのために色々なものを被検体として研究を進めていたという話。
最初は小さな生き物だったらしい。
ムシやサカナなんかを中心として、生き物の構造を模倣することによって、作り出したゴーレムを効率的に運用する研究から始まって、少しずつ大きなものへと段階的に移行していったらしい。
ネズミやリス、スズメやツバメなんかを経て、イヌやネコ、カラスやハトと言った生き物に及んだ際に彼女の下で働いていた魔式師の一人が、彼女を糾弾したらしい。
その時、彼女はその批判を甘んじて受け入れたという話らしい。
しかし、同時期に王都で女の行方不明が少しずつ増えるという事件が起こる。
この事件自体とアーシアとの関連は特にはなかったらしいこと。
しかし、事件終息後に今度は男を中心とした失踪事件が増加することになったらしい。
その失踪者の一人はアーシアのことを糾弾した魔式師の夫だったらしい。
元々男遊びが激し過ぎて、王宮魔式師や他の王宮付きの職人や学者達からの評判が良くなかったアーシアは宮仕えの女性たちの影響もあってあっという間に追い詰められたという話らしい。
彼女個人所有のアトリエに踏み入った警備兵たちが見たものは誘惑した男たちを用いた生体ゴーレムの人体実験の残骸だったらしい。
男たちは生きていた。だが、皆一様に幸せそうな表情のままで碌に外界からの刺激に対しての反応性を失っていたという話だった。
その犠牲者は二四名いて、そのうちの二人が黒ずくめの女の子の兄と恋人だったのだそうだ。
全部をきちんと調べ終えているわけではないため、本当に犠牲者がその数だけで済んでいるのかどうかさえ確証が取れていないという事らしい。
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