第2話⁂お受験!⁂
この佐々木家の二人の子供たちは共に、愛知県の私立最高峰と言われる有名私立徳豊中学の、お受験を勝ち上った二人なのである。
あの時は両親も子供達を、何としても有名私立徳豊中学に入学させたくて、必死に塾通い、更には、家庭教師を付けての猛特訓の日々だったのだが、その甲斐もあり見事愛知県最難関徳豊中学に、息子と娘共々合格出来て、家族四人は天にも昇る思いで喜び合ったものだ。
だが、このお受験にはどうも裏が有るらしい。
実は偏差値最高峰の最難関人気私立中学という事も有り、出願者が多く合格する可能性が極めて低いために、大和の担任から公立中学を進められていた。
「あなた先生が、徳豊中学に合格できる可能性が低いから公立中学にしなさい。と言われたのよ?何も中学から受験させなくても、高校から頑張れば良いんじゃ~ないの?」
「お前の兄弟は、皆高卒だからな~、だからそんな悠長な事が言えるんだ。行く行くは〔佐々木不動産〕と〔佐々木公認会計士事務所〕の跡継ぎなんだから、難関国立大学か難関有名私立大学に入らないと無理だ!」
「そんな事言ったって~?先生が無理だって言うのにどうするのよ?」
「そんな事自分で考えろ!お前の家族の遺伝子を引き継いだからだ!全く―――!」
この様な調子で…父親の章が『何が何でも息子の大和を会社の跡取りにしなくては!』と妻の鈴子を追い込む事も有り、又章が徳豊中学出身という事も有り、頑として首を縦に振らず、益々追い込まれる鈴子。
{亭主関白で頑固な章には、困った者だわ!}
塾通いに家庭教師にと、やれる事はやり尽くし、更には、鈴子は担任のA先生と中学お受験で頻繫に学校に顏を出して、先生に頼み込み解決策を考えている。
そこで担任のA先生からの最終アドバイスを頂いた。
「徳豊中学の理事長が、出願書を持って一度理事長室に一月某日に来てください。そこでお話しましょう。そのようなお話がありました」
「アッありがとうございます!早速行ってみます」
そのように担任から言われた鈴子は、『最後の頼みの綱!』そう思い徳豊中学の理事長室に向かった。
””トントン””
「失礼します!」
品位と妖艶さを併せ持つ、鈴子を””ギラリ””と卑しい目で上から下まで舐めるように見る理事長の田中。
「それで……お母様は、どんな事をしても本校に、ご子息大和君を入学させたいとの意向、伺っていますよ……ウッフフフ!……それにはですがね~?ウッフフフ!お母様………分かっていますよね!ウッフフフ!」
””カチャカチャ””
理事長室の鍵を閉めた理事長は、ゆっくりと鈴子の後に回り、後ろから鈴子のふくよかな乳房を思い切り揉みしだきながら「いいですね!お母様!ウッフフフ!」
「嗚呼!ナッ何をするのですか?…ヤッ!ヤメテクダサイ!」
この日は日曜日で時間も午後五時を回ったところ、誰も居ない。
鈴子はどうなるのか?
【何故〔佐々木不動産〕の跡継ぎである、章の父親雅彦が公認会計士になったのか?
雅彦の兄が〔佐々木不動産〕の跡継ぎとして不動産業務に就いていたが、突然死で亡くなった。
家族は大層落ち込んだが……。
雅彦は既にダブルスクールに通い始めて、自分の夢公認会計士を目指していた為に、*コングロマリット・複合企業*〔佐々木不動産〕の一角に公認会計士事務所を設立した】
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