第65話ゾンビ討伐



今回のゾンビ騒動は、アンデッド系のスケルトンと違い、ゾンビが増えることが問題なのだ。

一気に倒して全滅させないと、終息にならないし拡散すれば終わりだ。

やはり俺が従魔らと行くしかなさそうで、チューゴらに召集をかける。

前回の死体を燃やす行為でも、何故かしらレベルアップをしていて、次の進化に成りそうな固体が数体居る。

今回の戦いで、確実に進化を遂げそうで期待している。


気配探知で安全そうな所へゲートを開く、チューゴらは喜んでゲートへ入って行く。

最後の1体が入り終わると、ライとフロルとブラックを連れてゲートに入って行く。

興奮気味なチューゴらを目の前にして、注意点を確認させる為話しをする。


「前回と同じ様に、完全に燃やし尽くせ。分かったな!」


分かったらしく、チュウチュウの返事が煩く響きわたる。


「頑張って行って来い!」


チューゴらが一斉に動き出した。

何体か来ていたゾンビが早速燃やされている。

静かな闇夜で、燃える炎だけが綺麗に燃え続けて、無念の死を弔っているようである。

ブラックが飛び立ち、数十体の飛行する魔物を倒し始める。


ゾンビ


Lv2


HP20

MP6


STR2 VIT1

DEF3 INT1

DEX1 AGI2


自己回復

種の保存(ゾンビを増殖させる)


アンデッドの突然変異種で主に操られし者


鑑定結果は予想していた自己回復と種の保存だった。

しかしアンデッド1体の支配下に置かれているとは、想像すらしていなかった。

人類の強敵に成りうるスペックを持ち合わせている。

レベルアップすれば、進化を遂げどれ程の力を付けるか、想像するだけで目眩がする。


その1体を気配探知で探すも、なかなか探しきれない。

分からない様にしているのか、それとも地中深くからゾンビを操っているのか、それすら分からない。


ただ1つ、目の前のゾンビを全滅させれば、何かのアクションを起こす時が見付けるチャンス。

俺はそれまで待つしかない。


今の所5時間が経過したが、ようやく半分を燃やし尽くした様だ。

ブラックは、上空を旋回しながら警戒を怠らない。


ライが行きたいと、念話するので了解すると、飛び出して疾風の様に行ってしまう。

ゾンビを見つけては、放電で消し炭にして、魔石を取り出して吸収している。


そしてようやくあと少しになった時に、気配探知に集中して異変を探し続ける。

後方の山奥からゾンビらしき1体の気配を探知。

ゲートを開き、フロルとブラックを伴ない向かう。


目の前には洞窟が、先程はこの洞窟前に気配がしていた。

周りを探すが反応は無い。洞窟に逃げ戻ったとしか考えられない。

ブラックを先頭にして、洞窟に侵入。


天井から滴がチャポン・チャポンと落ちて、地面を濡らしている。

防水タイプの強力LEDサーチライトを取り出し、明るい照明を奥深くまで照射。

動く物が見えた瞬間に、石のつぶてが幾度も俺のバリアに命中して飛散する。

ゾンビの鑑定。


ゾンビドロス


Lv2


HP120

MP50


STR7 VIT4

DEF5 INT4

DEX3 AGI5


自己回復

種の保存Ⅱ(増殖する機能の増加)

土魔法


アンデッドの突然変異種の原種


「コイツも土魔法が使えるのか、どっちが強いか試してやる」


地面に手を付き、土魔法の[拘束]を仕掛ける。

徐々に地面に引きずり込まれているが、下半身が沈んだ状態で淡く光るとピタリと止まる。

俺も更に魔力を注入。持久戦に入った状態。

どちらかが魔力が尽きた時が、終わりになる。


やはり俺のMPが多いし、経験も積んだせいで10分後に地中に沈め込んだ。

HPの減少が始まり0になった。


しかし、コイツは自己回復のせいなのか中々従魔にならない。

それとも原種のプライドがそうさせているのか、俺には分からない。

結界で消滅させようと、ゾンビに展開すると急に従魔になった。

負けたと自覚したのかも知れない。


ゾンビドロス


Lv1


HP120

MP50


STR7+15 VIT4+15

DEF5+15 INT4+15

DEX3+15 AGI5+15


自己回復

種の保存Ⅱ(増殖する機能の増加)

土魔法


アンデッドの突然変異種の原種


地面から現れたのは、肌の白い美人な女性ゾンビで全裸で立っている。

白のTシャツを手渡し、


「これを着ろ」


従来の従魔と断然違うのが、見た目が人間である事。

身長は、1メートル40センチで髪はロングであった。

子供にも見えるが、バストもヒップも大きいのでやはり16~18歳なのかも知れない。

俺達が洞窟から出ると、チューゴらとライが待って居た。


スマホを取り出し、日本政府のホームページに開き、メッセージを確認。

新たなメッセージはなく、今日のことを報告する為書き込んでゆく。

そして終わると、ゲートを開いた。


「皆、帰るぞー」


一斉にチューゴらは駆け出し入ってゆくき、俺らも帰ることにした。

帰って来ると、空が薄っすらと明るくなり掛けている。


チューゴらは、住処に入るなり寝転び寝息をたてだした。

腹一杯に魔石を食べたので、余り動きたくない様である。


ゴールドゴーレム・チューゴ(元シルバーゴーレム・チューゴ)全長2メートルで全身ゴールド色


Lv1


HP360

MP230


STR25+15 VIT15+15

DEF17+15 INT16+15

DEX26+15 AGI31+15


高速攻撃Ⅱ・高速移動Ⅱ・火魔法Ⅱ・土魔法


6体が進化して、ゴールドに変わり、風格が上がった様に見える。

それでも寝ている姿は、無邪気で可愛いと思える。


「ライ、このドロスも頼むぞ」


俺はそう言って、部屋のベットで一眠りする。



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